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貸借対照表の借方(左側)と貸方(右側)。簿記は経済計算であるので、何らかの秩序が成り立つように記録する。しかし、簿記教育では、「二面性」「資本」「簿記の5要素」などといったジャーゴンが渦巻き、「やればわかる」と予定調和を強要されたあげく、数字は合うが自分のやっていることがどういうことなのかわからない、という事態に陥っている人が多くいるのではないか(と想像される。私はそうだった)。 本書は、用語の意義を整理するのはもちろん、簿記用語としての「資本」の意義(それは元本)、貸方の存在する意義(それは借方項目の所有別再区分)、貸借対照表と損益計算書の一体性、などを示す過程を通じて、簿記のメカニズムを明らかにする。ただし、薄い本だが、読みやすい本ではない。また、これ1冊で十分というものでもない。 |