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眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

アンドリュー・パーカー
草思社
ISBN: 4794214782  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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評  価
コメント
Tambourine :

バージェスの生物群のファン向け・・・って、私は明らかにそうなんだけど、世の中にそんな人がどのぐらいいるのかはわかんないなあ。ともかく、そういう人なら、この本のタイトルと、第1章までを読めば、この本の結論は理解出来ます。

生物の進化の歴史の上で、大きなトピックとして「カンブリア爆発(Wikipedia)」ってのがあるんですね。それまでみんなミミズの仲間のような形だった生物(エディアカラ動物群もありますが)が、あるとき一斉に複雑な形態を獲得して、今、現存する生物とは似ても似つかないような変わった生物がたくさん出現するという大事件なんです。これは、進化の歴史の上では、例えば恐竜の絶滅なんかより比べモノにならないぐらい、大きな出来事です。ここで「へー、そんなことがあったんだー」という人は、この本より前に、まず、スティーブン・ジェイグルードの「ワンダフル・ライフ」を読んでちょーだい。バージェスの動物の名前に多少、馴染んでないと、ちょっと読みづらいかも知れません。

で、なんでカンブリア期の到来と共に、突然、爆発的な進化が起きて、かくも複雑な形態が一挙に出現したのかというと、この本では「眼」を持った捕食生物が出現したことがきっかけなんじゃないかという説を提示してるワケです。これを、「光スイッチ説」と呼んでます。ほら、ワクワクする話でしょう?えっ、しない。あれ〜?

ま、この本の結論を一言で言っちゃえば、それだけなんだけです。でも、途中も面白い。途中では

  • 化石からどんなことがわかるか
  • 「見る」とはなにか
  • 生命にとって色とは何か
  • 視覚がいかに大きな淘汰圧を産むか

なんてことが語られます。面白いですよ

ここにはいないボクへの伝言
うち : 面白かったー。カンブリア紀は化石的証拠より生物の多様化が一気に進展した時期である。この時期に何故生物の大変革が起こったのかにはいろいろな節があるのだけれど、パーカーは目の出現こそが、その原因であるという彼の新説を順をおって展開していく。 いろいろな点が刺激に満ちている。その中には、カンブリア紀の爆発が硬い骨格を持った種族の出現であり、生物の多様性はそれ以前に準備されていたといった、生物史をきちんと勉強した人には常識的なことも(私にとっては常識ではなかったが)あるのだろうが、動物の体色の機構として回折格子型の構造色をとりあげ、それがカンブリア紀の生物までさかのぼることを明らかにしているあたりは、とても興味深いものであった。新説が生物学の研究者の間で受け入れられているのかはしらなけれど、生物の歴史に興味ある人にはお勧めの一冊だ。
もつくん2_deleted000_deleted000 : 三葉虫の謎―「進化の目撃者」の驚くべき生態も合わせて読むべし。
カンブリア紀に地球に降り注ぐ光の量が変化したという大前提の確たる証拠がなく、推測の域を出ていないのが惜しまれる。
他の本棚 N_A, 雑食, 増井, つかだのほん, Tambourine, katory, うち, stonechild, takoyakim, worit, 221b, kitashi

最終更新 : 2007-06-04 23:58:00 +0900
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