バージェスの生物群のファン向け・・・って、私は明らかにそうなんだけど、世の中にそんな人がどのぐらいいるのかはわかんないなあ。ともかく、そういう人なら、この本のタイトルと、第1章までを読めば、この本の結論は理解出来ます。
生物の進化の歴史の上で、大きなトピックとして「カンブリア爆発(Wikipedia)」ってのがあるんですね。それまでみんなミミズの仲間のような形だった生物(エディアカラ動物群もありますが)が、あるとき一斉に複雑な形態を獲得して、今、現存する生物とは似ても似つかないような変わった生物がたくさん出現するという大事件なんです。これは、進化の歴史の上では、例えば恐竜の絶滅なんかより比べモノにならないぐらい、大きな出来事です。ここで「へー、そんなことがあったんだー」という人は、この本より前に、まず、スティーブン・ジェイグルードの「ワンダフル・ライフ」を読んでちょーだい。バージェスの動物の名前に多少、馴染んでないと、ちょっと読みづらいかも知れません。
で、なんでカンブリア期の到来と共に、突然、爆発的な進化が起きて、かくも複雑な形態が一挙に出現したのかというと、この本では「眼」を持った捕食生物が出現したことがきっかけなんじゃないかという説を提示してるワケです。これを、「光スイッチ説」と呼んでます。ほら、ワクワクする話でしょう?えっ、しない。あれ〜?
ま、この本の結論を一言で言っちゃえば、それだけなんだけです。でも、途中も面白い。途中では
- 化石からどんなことがわかるか
- 「見る」とはなにか
- 生命にとって色とは何か
- 視覚がいかに大きな淘汰圧を産むか
なんてことが語られます。面白いですよ
ここにはいないボクへの伝言
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