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新・物理入門 (駿台受験シリーズ)
新・物理入門 (駿台受験シリーズ)
著者: 山本 義隆
出版社: 駿台文庫
評価:
カテゴリ: 物理
コメント: 根源的な問いに関する説明が試みられている名著。<br> 『たとえば、しょっぱなに、運動方程式「ma=F」について、こんな風に書いてある。 <blockquote> この式は、「質量に加速度を掛けたものが力である」ということを表しているのでは決してない。この式は「物体mに力Fを加えられたならば、その結果として加速度aが生じる」という因果関係(原因・結果関係)を表しているのである。右辺と左辺が等しいというのは量的関係だけで、概念的意味内容としては右辺と左辺は異なる。つまり右辺は運動の変化の原因としての加えられた力であり、それは単なる数学的定義に帰し得ない実体的起源をもつ。他方、左辺はその結果として生じた運動の変化の割合を表している。(中略) 。運動方程式はあくまでも物理的な因果関係を表しているのであり、力の定義式では決してない。 </blockquote> こんな説明は、高校でも大学でも受けたことがなかったし、少なくとも学んだ教科書に明示的には書かれてなかったから、しょっぱなからもうショックである。さらには、このちょっと後に、こんな風にも書かれている。 <blockquote>  以上の議論でわかるように、力学の原理において力はきわめて重要な役割を果たしている。しかし現実にはどのような力が存在するのか、それらの力はいかなる性質をもっているのかは、一般に経験事実として与えられていると考えなければならない。つまり古典力学の内部で論理的に導き出せるものではない。 </blockquote> どうしてこういう重要なことを教えてくれる物理の先生がいなかったのだろう、と今にして思う。』
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