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イシ―北米最後の野生インディアン (同時代ライブラリー)

シオドーラ クローバー 行方 昭夫
岩波書店
ISBN: 4002600807  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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うち : 一人はぐれて、白人に捕獲されたインディアンの記録。幸いだったのは、保護したのが、まっとうな人類学者だったこと。それ故、イシ(彼の名前)は見せ物にもならずに、結核で、早死にはしてしまうのだけれど、それなりには生きて行けた。 いくつか、記憶に残っていることがある。一つめは、イシが数を数えられるかの調査では、ほとんど数を数えられないという結果がでたので、人々はそう信じていたところ、ある日、貨幣か、おはじきを数えているのを発見されること。そこで、何故、調査の時には数えなかったかと聞かれ、イシは、数える意味がなかったからと答える。 もう一つは、あるインディアンの酋長と会ったときに、イシは相手の顔を見ただけで、立派なインディアンであると判断する。この判断がどういう基準に基づいているのかが、実に、不思議に感じられた。 本の内容には関係ないが、著者は、ル・グインの親である。
kana : 副題通り、北米で保護地域に押し込められなかった最後のネイティブアメリカン、イシの伝記。前半は石器時代とほぼ同様の生活をしていた「ヤヒ族のイシ」の話、後半は白人社会の中で暮らす「ミスター・イシ」の話となっています。文化人類学的には面白いのですが、一つの部族・文化が失われて行く過程が同時に描かれており、複雑な思いにとらわれます。

著者は著名な文化人類学者クローバー教授の妻で、SFファンにはおなじみのA・K・ル=グィンの母。ル=グィンを初めて読んだのは、この本よりもずいぶん後だったのですが、その時に訳者後書きで知り、あわてて引っ張りだしてみました。 ル=グィンの著作に多く見られる民族学的手法は両親の影響を受けていると 言われますが、その一端をかいま見る事のできる文献としても一読の価値があります。

ドリアン : 中学生の時、毎週地元の図書館に通っていたら、図書館司書の人が「とてもいい本が出たから」とわざわざとっておいてくれたのがこの本でした。
他の本棚 うち, ドリアン

最終更新 : 2004-09-30 14:37:07 +0900
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