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吉田茂―尊皇の政治家 (岩波新書 新赤版 (971))
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原 彬久
岩波書店
ISBN: 4004309719
紀伊國屋,
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svnseeds :
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http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1
激しくおすすめ。上の本で俄然吉田茂に興味を持ち新宿ジュンク堂で衝動買い。ちょっとしたinterludeとして読んでみました。
やっぱり吉田茂も面白い人だなあ。なんとなくの先入観でリベラルな人かと思ってたら(だって「戦後リベラル」の人たちって吉田茂好きじゃないですか)さにあらず。がちがちの帝国主義者にして天皇制絶対擁護の人だったとは。面白い。
若くして大金を相続し、戦前はあまり成功したとは言えない裏街道の外交官、しかしながら閨閥をツテに戦中にあっては近衛らと早期終戦を画策し東条らと対立、戦後は外相として新憲法制定に関わり、鳩山ら戦前の政治家たちが追放された空隙を縫って首相就任、その後講和により再独立を果たし、米国からの執拗な軍備拡張要求をのらりくらりとかわしながら池田隼人、佐藤栄作ら官僚出身の政治家を周辺に配して経済優先の日本再建への道ならしをした、と。いやあ波乱万丈です。面白い。
興味深いのは、日本をして対米開戦已む無きとの決断に至らしめたとされるいわゆる「ハル・ノート」についての記述(89ページ)。吉田によれば「ハル・ノート」は決して「最後通牒」ではなかったという。対米開戦を正当化する口実としてあまりに人口に膾炙しているこの件に異論があるとはしらなんだ。要調査。
個人的な興味としては第6章の「講和・安保両条約の締結に向けて」が面白かった。上の「日米同盟の絆」の前半と同じテーマを、同書が書かれたときには入手不可能だった日本側の外交資料に基づき検証しています。一度突き合わせて読む必要があるかなあ。
あとは随所に出てくる昭和天皇のエピソードが涙なくしては読めませんでした。僕は別に天皇制絶対擁護という立場では今のところないのだけれど、なんというか、開戦責任については人に言われる以上に強く感じてらしたんだろうなあと思うとなんとも言いようのない気持ちになります。木戸が全部悪いんじゃないかというのが正直な気持ち。この辺も要調査なり。
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米示
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最終更新 : 2007-06-29 11:43:55 +0900
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