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再軍備とナショナリズム (講談社学術文庫)
大嶽 秀夫
講談社
ISBN: 4061597388
紀伊國屋
,
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,
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評 価
コメント
svnseeds :
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2
おすすめ。以前id:gachapinfanさん(お元気ですかー?)のところで紹介されていたのを見かけて購入。ずっと積読だったのだけれど良いタイミングで読むことができました。
この本だけは何故か読んだ直後のメモがあったのでそのまま載せちゃいます。文体あってないけどまあいつものことなんでお許しを。
日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付いていないことが残念であるという著者の主張には同意。
それに、日本の保守勢力やかつての社会党右派が戦前のナイーブなナショナリズムのレトリックを多用したことが、本来の意味でのリベラリズム(いわゆる米国のリベラルでなく、伝統的自由主義)の混乱を招いた、という点にも同意する。
その他、吉田茂、芦田均、石橋湛山、鳩山一郎らの評価も非常に納得感のあるものだ。特に湛山について、よく見られるリベラリストとしての評価だけでなく、戦前からの伝統的な保守主義者として(否定的に)評価している点が非常に興味深い。
しかしながら、それだけに、日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付かなかった原因として、上記のような日本の保守勢力や社会党右派の言動や態度だけを挙げているように読めるのは残念に思う。まるで社会党左派やそれを支持したいわゆるリベラル左派の「知識人」たちには大した落ち度がなかったように読めてしまうのだ。
実際には、社会党左派は本質にそのおいて、民主主義と資本主義を否定している点で共産党と違いはなかった。また、再武装や安保改定の議論においては一切の妥協を廃した原理主義的な主張のみを繰り返していた(だから実際にはまったく議論になっていなかった)。日本に社民主義を根付かせるのを阻害したという意味では、社会党左派は保守勢力や社会党右派よりも罪深いといえるのではないか。そうした指摘は、残念ながら本書からは読み取れない。
また、丸山真男に代表されるいわゆるリベラル左派の「知識人」は、保守勢力や社会党右派の回顧主義的ナショナリズム的言論に対抗するために、本当に共産主義や社会党左派と共闘する必要があったのだろうか。この本でも触れられているドイツのような社民主義を掲げることは不可能だったのだろうか。仮にそれが不可能であったとしても、一方で保守勢力や社会党右派を断罪しておきながら、他方で社会党左派やリベラル左派の「知識人」たちを免罪するような記述には到底同意できかねる。共に時代の制約の渦中にあったという点では同じなのだから。
というようなことはもちろんとっくに後の研究者によって言われているだろうなと思いつつ。
話は変わるが、本書で引用されている丸山真男の「高度な政治的判断」なる言い分には本当に吐き気がする。こんな日和見主義者が「知識人」だった時代に生まれなくてよかった。今の日本に必要なのは、回顧主義的な/ナイーブなナショナリズムを廃したまともな保守派と、共産主義ときっちり決別し民主主義と資本主義に基礎を置いた、まともな左派だ。僕は今のところ保守派にシンパシーを感じるようになっている。
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最終
更新
: 2007-06-29 11:38:57 +0900
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評 価
コメント
<BR><BR> [[http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2 http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2]] <BR><BR> おすすめ。以前id:gachapinfanさん(お元気ですかー?)のところで紹介されていたのを見かけて購入。ずっと積読だったのだけれど良いタイミングで読むことができました。 <BR><BR> この本だけは何故か読んだ直後のメモがあったのでそのまま載せちゃいます。文体あってないけどまあいつものことなんでお許しを。 <BR><BR> <BR><BR> 日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付いていないことが残念であるという著者の主張には同意。 <BR><BR> それに、日本の保守勢力やかつての社会党右派が戦前のナイーブなナショナリズムのレトリックを多用したことが、本来の意味でのリベラリズム(いわゆる米国のリベラルでなく、伝統的自由主義)の混乱を招いた、という点にも同意する。 <BR><BR> その他、吉田茂、芦田均、石橋湛山、鳩山一郎らの評価も非常に納得感のあるものだ。特に湛山について、よく見られるリベラリストとしての評価だけでなく、戦前からの伝統的な保守主義者として(否定的に)評価している点が非常に興味深い。 <BR><BR> しかしながら、それだけに、日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付かなかった原因として、上記のような日本の保守勢力や社会党右派の言動や態度だけを挙げているように読めるのは残念に思う。まるで社会党左派やそれを支持したいわゆるリベラル左派の「知識人」たちには大した落ち度がなかったように読めてしまうのだ。 <BR><BR> 実際には、社会党左派は本質にそのおいて、民主主義と資本主義を否定している点で共産党と違いはなかった。また、再武装や安保改定の議論においては一切の妥協を廃した原理主義的な主張のみを繰り返していた(だから実際にはまったく議論になっていなかった)。日本に社民主義を根付かせるのを阻害したという意味では、社会党左派は保守勢力や社会党右派よりも罪深いといえるのではないか。そうした指摘は、残念ながら本書からは読み取れない。 <BR><BR> また、丸山真男に代表されるいわゆるリベラル左派の「知識人」は、保守勢力や社会党右派の回顧主義的ナショナリズム的言論に対抗するために、本当に共産主義や社会党左派と共闘する必要があったのだろうか。この本でも触れられているドイツのような社民主義を掲げることは不可能だったのだろうか。仮にそれが不可能であったとしても、一方で保守勢力や社会党右派を断罪しておきながら、他方で社会党左派やリベラル左派の「知識人」たちを免罪するような記述には到底同意できかねる。共に時代の制約の渦中にあったという点では同じなのだから。 <BR><BR> というようなことはもちろんとっくに後の研究者によって言われているだろうなと思いつつ。 <BR><BR> 話は変わるが、本書で引用されている丸山真男の「高度な政治的判断」なる言い分には本当に吐き気がする。こんな日和見主義者が「知識人」だった時代に生まれなくてよかった。今の日本に必要なのは、回顧主義的な/ナイーブなナショナリズムを廃したまともな保守派と、共産主義ときっちり決別し民主主義と資本主義に基礎を置いた、まともな左派だ。僕は今のところ保守派にシンパシーを感じるようになっている。
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