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日米同盟の絆―安保条約と相互性の模索

坂元 一哉
有斐閣
ISBN: 4641049769  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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svnseeds :

http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1

激しくおすすめ。Amazonで見つけて即購入。これは労作。安保条約をめぐる日米外交史に興味のある方は必読だと思われます。

吉田茂によるサンフランシスコ講和と旧安保条約の成立、その後の日本の軍備の漸増、重光葵の安保改定の挫折、そして岸による安保改定が、主に米国の外交資料に基づき、丹念に検証されておりとても読み応えがあります。

良く知られていることですが、マッカーサー発案の新憲法が、米ソの対立が深まっていく中、日本だけでなく米国をも縛っていった過程が大変興味深く描かれています。また、当初強硬にに日本の再軍備と責任分担を主張していたダレスが、日本の良き理解者(として描かれている)アリソンとマッカーサー両駐日大使とのやり取りの中で軟化していった様子も興味深い。外交というのは人ですねえ。

もうひとつ良いなあと思ったのは著者の登場人物たちに対する暖かい視線。毀誉褒貶の激しい吉田、岸のみならず、本書のテーマで言えば良いところのあまりない重光に対しても、歴史の高みから断罪するようなことはせずに、一定の肯定的な評価を与えようとしている姿勢は、歴史を学ぶにあたって見習いたいなあと思った次第。

この著者によるその後の日米の安全保障に関する外交についての文献を是非読んでみたいなあ。と思ってちょっとぐぐってみたら産経の正論で色々記事が。わはは、微妙だなあ(笑)。やっぱり安保について色々知るとそっちに側になるのかなあ。後で読んでみよう。
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最終更新 : 2007-06-29 11:42:01 +0900
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