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昭和の巨魁 岸信介と日米関係通史
高橋 正則
三笠書房
ISBN: 4837918441
紀伊國屋
,
Amazon
,
WebCat
カテゴリ
評 価
コメント
svnseeds :
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1
面白いんだけどあんまりおすすめできないかなあ。Amazonで一括買いした中に入ってたもの。かなーり右よりの立場から書かれてます。そっちの立場に随分親近感がわくようになった僕でもちょっとついていけない記述が散見されるのが面白い。
「日米関係通史」というだけあって、なんと米国建国から話が始まっているのが面白いです。確かにこの視点は重要ですね。
ただ、この本全般に言えるのだけれど、参照している文献の質と扱いがなんというかもうちょっと何とかした方がよさげな感じ。前半の米国の歴史は(常識の範囲内のものが多いとは言え)1冊の文献(「この一冊でアメリカの歴史がわかる!」)に多くを拠っているし、明治時代の日本に関しては司馬遼太郎も引用したりと、いや一次文献のみで書けとは言わんけど、もうちっとなんとかした方が信憑性は増すんじゃないのかなあ、と思う次第。
それに引用元が抜け落ちているものが多いのも気になる。特に127ページの;
マッカーサーは帰国後、アメリカ議会上院でこの朝鮮戦争の経験から、「かつて日本が朝鮮半島に進出したのは正しかった」という意味の証言をした。
なんてのは、かなりcontroversialなものなんだから、引用元を明示しないのは無責任だなあと思わざるを得ませんよ。
と欠点ばかり挙げたけれども、明確な岸擁護の観点から書かれた本が少ないだけに興味深く読めたのは事実。例の「所得倍増計画は池田よりも先に岸が立案していた」論(197ページ)とか、吉田と比べて岸には厳しい評価を下した(らしい)高坂正尭について愚痴っていたり(251ページ)、安保反対運動についてはかの石原慎太郎すら「条文も読まずに反対していた」(210-212ページ)のがわかったり、と大変面白い。色々と割り引いて読める人は読んで損はないかもしれません。
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最終
更新
: 2007-06-29 11:45:46 +0900
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評 価
コメント
<BR><BR> [[http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1 http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1]] <BR><BR> 面白いんだけどあんまりおすすめできないかなあ。Amazonで一括買いした中に入ってたもの。かなーり右よりの立場から書かれてます。そっちの立場に随分親近感がわくようになった僕でもちょっとついていけない記述が散見されるのが面白い。 <BR><BR> 「日米関係通史」というだけあって、なんと米国建国から話が始まっているのが面白いです。確かにこの視点は重要ですね。 <BR><BR> ただ、この本全般に言えるのだけれど、参照している文献の質と扱いがなんというかもうちょっと何とかした方がよさげな感じ。前半の米国の歴史は(常識の範囲内のものが多いとは言え)1冊の文献(「この一冊でアメリカの歴史がわかる!」)に多くを拠っているし、明治時代の日本に関しては司馬遼太郎も引用したりと、いや一次文献のみで書けとは言わんけど、もうちっとなんとかした方が信憑性は増すんじゃないのかなあ、と思う次第。 <BR><BR> それに引用元が抜け落ちているものが多いのも気になる。特に127ページの; <BR><BR> マッカーサーは帰国後、アメリカ議会上院でこの朝鮮戦争の経験から、「かつて日本が朝鮮半島に進出したのは正しかった」という意味の証言をした。 <BR><BR> なんてのは、かなりcontroversialなものなんだから、引用元を明示しないのは無責任だなあと思わざるを得ませんよ。 <BR><BR> と欠点ばかり挙げたけれども、明確な岸擁護の観点から書かれた本が少ないだけに興味深く読めたのは事実。例の「所得倍増計画は池田よりも先に岸が立案していた」論(197ページ)とか、吉田と比べて岸には厳しい評価を下した(らしい)高坂正尭について愚痴っていたり(251ページ)、安保反対運動についてはかの石原慎太郎すら「条文も読まずに反対していた」(210-212ページ)のがわかったり、と大変面白い。色々と割り引いて読める人は読んで損はないかもしれません。
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