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漢方小説
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著者: |
中島 たい子 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
女独身三十一、友達以上恋人未満の男友達から結婚報告を聞いて以来、何故か体調が絶不調に。そんな彼女が最後にすがったのは、東洋の神秘・漢方診療所だった…。
東洋医学ものに滅法弱い人間にはこたえられない一冊。漢方に関しての薀蓄は思ったより「濃く」なかったものの、人間ドラマでお釣りがくるほど楽しめた。
中島氏は既に何本か脚本を書いておられるとのことで、軽いタッチの語り口といい、適度にデフォルメされた登場人物といい、なるほど、脚本畑出身らしいセンスが光る。
南伸坊先生の装丁も素敵。 |
関連本棚: |
GAKI
shinya_nakamura
平蔵
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英国ユダヤ人 (講談社選書メチエ)
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著者: |
佐藤 唯行 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
英国史の中でもスポットがあたりにくいであろう、イギリスのユダヤ人史について、丁寧にまとめられた好著。イギリス通史がある程度頭に入っているという向きには特にお勧めしたい。ユダヤ人というフィルターを通して見ると、また違ったイギリスの歴史が浮かび上がってくる。 |
関連本棚: |
平蔵
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夜の橋 (中公文庫)
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著者: |
藤沢 周平 |
出版社: |
中央公論社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
時代小説
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コメント: |
藤沢周平の短編小説集。士道小説あり、江戸の市井小説あり、とバラエティー豊かな布陣である。藤沢氏の市井小説は、賭場漬けの人間が必ず出てくるので好みではなかったのだが、士道小説と並べて読んでみると、独特の味わいと良さがあることに気づく。読んでいて楽しかったのは、武家の父と娘を軸とした、滑稽味のある家族小説「梅薫る」。「冬の足音」は市井小説だが、現代の30代独身OL小説に通じる現代性がある。 |
関連本棚: |
保志クロエ
平蔵
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最終退行
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著者: |
池井戸 潤 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
著者お得意の銀行小説。陰謀あり、恋愛ありなのだが、後者について、あまりにも男性本位な(願望じみたと言っても良い)恋愛描写が多く、最後まで批判的に読んでしまった。何より、主人公を取り巻く女性の人物造詣が薄っぺらくて興ざめ。<br>
池井戸氏の小説を読んでいると、ときおり、女性を見下しているような印象を受けるのだが、今回はそれが悪い形で前面に出てしまっている。まあ、大手都銀のような男尊女卑社会で長らく働いていると、女性を下に見る習慣がついてしまうんでしょうが、もう少し何とかならないかしら。 |
関連本棚: |
平蔵
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卑劣 ドキュメントノベル生保
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著者: |
倉橋 康介 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
生命保険業界の腐敗をテーマとしたフィクションノベル。この本で書きたかったであろうテーマも、作者の小説にかける意気込みもわからないではないのだが、勢いあまって筆力足らずの感がある。こういう特定の業界をもとにした小説は、文章が練れていないと読むのがしんどい。構成もいまいちだったので★2つ。 |
関連本棚: |
平蔵
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朝陽門外の虹-崇貞女学校の人々-
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著者: |
山崎 朋子 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
戦前、中国のスラム街に女子のための教育機関を作った日本人がいたとは、恥ずかしながら、この本を読むまで知らなかった。そしてその人物が、桜美林大学の創始者でもあったとは…。キリスト者でもあり、教育者でもあった清水安三の足跡を描いたノンフィクション。文革の嵐でも消しえなかった、清水安三の功績に感銘を受けた。 |
関連本棚: |
平蔵
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雲、西南に流る
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著者: |
平山 寿三郎 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
時代小説
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コメント: |
待望の平山寿三郎さんの時代小説。今回も、幕末から明治へ、時代の流れに翻弄される男女が物語の主軸となっている。作品から言うと、<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4062100495">明治おんな橋</a>の方が好きだが、こちらもさらりとした味わいのある小説である。今回の教訓は、芸は身を助く、であろうか。 |
関連本棚: |
平蔵
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移動図書館ひまわり号
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著者: |
前川 恒雄 |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
かつて、図書館が学生と学者のみの所有物であった時代があった。そんな中、貸出をメインとした市民ありきの図書館をめざし、驚異的な実績を叩き出したのが東京の日野市立図書館である。その初代館長である前川氏が、草創期の日野市立図書館の歩みをつづったノンフィクションが本書。前川氏の見解には賛否両論はあろうが、その後の日本の図書館史の流れを変えたと言う意味で、非常に興味深い本である。日ごろ、図書館でお世話になっている人間は必読の書であろう。 |
関連本棚: |
平蔵
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百年目の帰郷
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著者: |
鈴木 洋史 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
王貞治の父・仕福の意外なルーツを探る、という内容なのだが、筆者の「自分こそが王家のルーツを見つけ出したんだ」という自負と功名心が空回りしているように思える。独りよがりな記述が目立ち、ノンフィクションとしてはいまいち。物心ついた頃には冷戦が終結していた世代としては、王貞治という一大スターを通しての中台対立分析の方がよっぽど面白かった。 |
関連本棚: |
平蔵
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とげ
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著者: |
山本 甲士 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
久しぶりに、あっ、この本面白そうというアンテナが働いた本。主人公は市役所の市民相談室主査。お役所が舞台の悲喜こもごも小市民的サラリーマン小説かと検討をつけて読み始めたのだが、後半に進むにつれて、あれよあれよと違う方向へ話が急転していく。読後の爽快感抜群の「闘う小市民小説」である。途中で、いささか唐突に差し挟まれるエピソードが一つあるのだが、これが最後にとんでもない伏線として生きてくる。見事。 |
関連本棚: |
平蔵
本の虫
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王国への道―山田長政 (新潮文庫)
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著者: |
遠藤 周作 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
山田長政という人物に興味があったため、手に取った本。そこにペドロ岐部という希代のキリスト者を組み合わせるところが遠藤周作らしい。「天上の王国」を目指した者と、「地上の王国」を築こうとした者の対比というテーマを推し量ると、着地点はおのずと見えてしまうのだが、歴史小説としての面白さは最後まで損なわれない。この本最大の収穫は、タイ王室史の面白さを認識できたこと。タイ王室の歴史について、初心者にもわかりやすく書いた本はないものか…。 |
関連本棚: |
平蔵
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山河寂寥―ある女官の生涯 (上)
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著者: |
杉本 苑子 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
平安時代前期、その才覚で藤原氏の栄華の基盤固めに貢献した女官、藤原淑子の一生をたどった歴史小説。 |
関連本棚: |
日和見
平蔵
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禁じられた楽園
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著者: |
恩田 陸 |
出版社: |
徳間書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
和歌山県・熊野を舞台にしたホラー小説。一人のカリスマ青年が構想した、奇怪なテーマパークに招待された男女。掴みどころのないカリスマ青年・烏山響一が、最後まで物語の緊張感を持続させてくれる。また、クライマックスの描写が映像的で見事。
<li><a href="/%E5%A2%97%E4%BA%95/4394301025">パノラマ島奇談 (江戸川乱歩文庫)</a>に似てるのでしょうかね? (<a href="/%E5%A2%97%E4%BA%95">増井</a>)
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関連本棚: |
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暗黒祭 (角川ホラー文庫)
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著者: |
今邑 彩 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
日の本村シリーズ最終章。前作ではりめぐらされていた様々な伏線がどのように収束するか、期待値が非常に高かったためか、結末にやや物足りなさが残った。とはいえ、作品としては十分に及第点の出来。 |
関連本棚: |
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平蔵
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