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(315/324)冊
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オレたちバブル入行組
オレたちバブル入行組
著者: 池井戸 潤
出版社: 文藝春秋
評価: ★★★★
カテゴリ: 現代小説
コメント: おそらく著者本人の体験談もふんだんに盛り込まれているであろう、銀行員サラリーマン小説。バブル華やかなりし頃の就職戦線から、一転、悲哀に満ちた現在へと切り替わる導入部が見事である(就職戦線時と現在で入行した銀行名が変わっていることに苦笑)。すかっとするサラリーマン小説なのだが、後半の展開は少しやりすぎのような気が…。
関連本棚: 平蔵 あれあれ reiko510の2013
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ナンギやけれど…… わたしの震災記 (集英社文庫)
ナンギやけれど…… わたしの震災記 (集英社文庫)
著者: 田辺 聖子
出版社: 集英社
評価: ★★★★
カテゴリ: エッセイ
コメント: 震災の義捐金を募った講演会の記録と、震災についての随想が併せて収められている。震災に耐えてたちあがろうとする人々を温かな目でとらえた、田辺聖子らしさが光る一冊である。
関連本棚: stonechild-2 平蔵
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デジデリオラビリンス―1464・フィレンツェの遺言
デジデリオラビリンス―1464・フィレンツェの遺言
著者: 森下 典子
出版社: 集英社
評価: ★★★★★
カテゴリ:
コメント: 自分の前世が、ルネサンス期のフィレンツェの彫刻家デジデリオだと告げられた筆者。デジデリオとは何者なのか…それをたどる筆者の旅は、下手な推理小説よりも面白い。最後まで明らかにされなかったが、現在の日本に転生している、デジデリオの恋人(男性)で、非常に著名な人物というのが誰なのか、とっても気になる。
関連本棚: stonechild-2 平蔵
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魔岩伝説
魔岩伝説
著者: 荒山 徹
出版社: 祥伝社
評価: ★★★★★
カテゴリ: 時代小説
コメント: 朝鮮通信使に秘められた真の目的をめぐる暗闘を描いた、血沸き肉踊る歴史伝奇小説。こういうはらはらどきどきの歴史小説がもっと量産されないものか。
関連本棚: 平蔵
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泳いで帰れ
泳いで帰れ
著者: 奥田 英朗
出版社: 光文社
評価: ★★★
カテゴリ: エッセイ
コメント: 「野球の国」の続編にあたる、直木賞授賞式をぶっちぎってのアテネオリンピック観戦記。少しねじけた風味の奥田節も相変わらず。ふーん、エーゲ海クルージングは面白くないわけね。「泳いで帰れ」の意味は後半で明らかになるが、奥田氏の言うことは一理も二理もあると思うぞ。
関連本棚: びー玉 panta rhei 平蔵 SKZ lookwest
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翼ある蛇 (角川ホラー文庫)
翼ある蛇 (角川ホラー文庫)
著者: 今邑 彩
出版社: 角川書店
評価: ★★★★
カテゴリ:
コメント: <a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4041962021">蛇神 (角川ホラー文庫)</a>の続きにあたる「蛇神」シリーズ第二弾。連続して起こる猟奇殺人事件が一応のメインなのだが、日の本村がらみの話とのバランスがやや悪いような気がする。それでも十分面白いんですけどね。後半は加速度的に話のテンポが増し、緊迫したまま第三弾<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4041962056">双頭の蛇 (角川ホラー文庫)</a>へとなだれ込む。
関連本棚: daichi 平蔵
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紅の袖
紅の袖
著者: 諸田 玲子
出版社: 新潮社
評価: ★★★
カテゴリ: 時代小説
コメント: 黒船が到来した直後の、幕末の江戸を舞台とした物語。主人公は川越藩士の妻、沙代である。真綿でじわじわと首をしめられるような不気味さが漂う前半に比べると、後半の大団円はやや拍子抜け。後半部分で明らかになる、とある真実にはおどろかされたが。
関連本棚: 平蔵
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帝国の娘〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)
帝国の娘〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)
著者: 須賀 しのぶ
出版社: 集英社
評価: ★★★★
カテゴリ:
コメント: 病弱な王子の替え玉として、王位継承の争いに駆り出される少女カリエの、波乱万丈の物語。とにかくカリエが前向きでめげなくてよい。しかし、こんなロングランシリーズになるとは思いませんでしたよ、私は。最新作ではカリエちゃんもお母さんになっちゃいましたし。
関連本棚: kaya-z 乙女 mie かずは mnpk 平蔵
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蛇神 (角川ホラー文庫)
蛇神 (角川ホラー文庫)
著者: 今邑 彩
出版社: 角川書店
評価: ★★★★★
カテゴリ:
コメント: 「蛇神」シリーズ第一弾。もともと今邑彩氏の小説のファンだったのだが、ホラー小説が苦手だったので、これまで手に取ることがなかった本である。しかしまあ今邑彩氏だし、読んで損はしないだろうと思い、勇気を出して読み始めたのだが…読み始めて早速後悔した。これ、伝奇ミステリじゃん!もっと早く読めば良かった…。<br> 物語の始まりは昭和52年。つつましくも幸せな日々を送る蕎麦屋の若女将・倉橋日登美は、突如惨劇に見舞われる。父と夫、5歳になる息子が、住み込みの青年に惨殺されたのだ。突然の出来事に呆然とする日登美の前に、若くして亡くなった母・緋紗子の親戚だと名乗る男性が現れる。その男は、緋紗子が長野県の人里離れた日の本村の出身であること、そこで「日女(ひるめ)」と呼ばれる巫女であったことを語る。 物語は前半と後半で大きく分かれる構成となっており、それが非常に効果をあげている。<br> ちなみに、私は先にシリーズ第三作である<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4041962056">双頭の蛇 (角川ホラー文庫)</a>を読んでしまったクチである。それでも充分に楽しめるのだが、やはりこの第一作から読むことを強力にお薦めする。
関連本棚: daichi 平蔵
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田辺聖子の源氏がたり〈1〉桐壷から松風まで
田辺聖子の源氏がたり〈1〉桐壷から松風まで
著者: 田辺 聖子
出版社: 新潮社
評価: ★★★★★
カテゴリ: 古典
コメント: 源氏物語の入門書に、これほどわかりやすく、かつ、読み物として面白い本があったであろうか。大阪リーガロイヤルホテルで催された講座をもとに編集されたということで、文体も平易ですらすら読める。大阪が誇る作家・田辺聖子先生の、古典に対する造詣の深さ、また、源氏物語に対しての思い入れの強さが実感できる一冊でもある。やっぱり古典を読むときは、そのときの時代背景だとか、文化的嗜好だとかを大家に解説してもらうのが一番良い。
関連本棚: ゴリゴリよりえ 平蔵
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北朝鮮1960―総連幹部・最初の告発
北朝鮮1960―総連幹部・最初の告発
著者: 関 貴星
出版社: 河出書房新社
評価: ★★★★
カテゴリ:
コメント: 北朝鮮への帰国船運動のさなか、北朝鮮が「地上の楽園」などではないことを看破、帰国者がいずれ国家によって迫害される運命をたどることを正しく予測し、告発の声をあげた総連幹部がいた。1962年出版の「楽園の夢破れて」、63年出版の「真っ二つの祖国」を一冊にまとめての再刊とのことだが、当時、このような内容の本を刊行するには、並々ならぬ勇気が必要であったことと思う。著者の正しさは、その後、30年のときを経て証明された。それにしても、帰国船運動の土壌となった日本の差別の苛烈さもさることながら、朝鮮総連の組織ぐるみの詐欺行為は、糾弾されてしかるべきであろう。
関連本棚: 平蔵
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双頭の蛇 (角川ホラー文庫)
著者: 今邑 彩
出版社: 角川書店
評価: ★★★★★
カテゴリ:
コメント: 「蛇神」シリーズ第三弾。長野県の人里離れた日の本村では、七年に一度の大祭に向けて着々と準備が進められていた。日の本村へ出かけて以来行方不明となった元恋人の消息を探るべく、喜屋武蛍子は日の本村について調べ始める。一方、日の本村の宮司・神聖二は、古文書のある記述が成就されつつあることに気付く。 相変わらずスピーディーな展開で読者を飽きさせない。次巻で完結するとのことだが、どのように着地するのか、最後まで目が離せない。
関連本棚: 平蔵
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熱球 (徳間文庫)
熱球 (徳間文庫)
著者: 重松 清
出版社: 徳間書店
評価: ★★★
カテゴリ: 現代小説
コメント: 退職を機に、娘を連れて故郷に戻ってきた主人公。かつて高校球児だった主人公にとって、故郷は栄光と悔恨の入り混じった場所であった。 家族という重みも持った30代後半の男性を描くと、やっぱり重松氏はうまい。とはいえ、娘のいじめなど、少し展開があざといような気もする。
関連本棚: hashimoto F 平蔵 lookwest
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欲望する女たち―女性誌最前線を行く
欲望する女たち―女性誌最前線を行く
著者: 久田 恵
出版社: 文藝春秋
評価: ★★★
カテゴリ:
コメント: 女性誌で頻出するトピックについての考察エッセイ。もう少し突っ込んだ考察があるものと期待していたのだが、その点はやや期待はずれ。よって星は3つだが、それでも、一つのトピックの取り上げられ方について、時代による変化を追うという観点は面白かった。それにしても、「我が子をかわいいと思えなくなる瞬間がある」と母親が言うことは、少なくとも1980年代まではタブーだったんですね。そういう風潮だと、育児も大変だっただろうなあ。
関連本棚: 平蔵
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時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈後編〉 (ハルキ文庫)
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈後編〉 (ハルキ文庫)
著者: 眉村 卓
出版社: 角川春樹事務所
評価: ★★★★★
カテゴリ: 現代小説
コメント: スクールバスで時空を遡った中学生とその教師。とにかくはらはらどきどきしながらページをめくった、傑作ジュブナイルである。終わり方も清々しくて良い。他にどなたか、こういうはらはらどきどき荒唐無稽系ジュブナイルをものしてくれないものか…。
関連本棚: 平蔵
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葵の帝 明正天皇
葵の帝 明正天皇
著者: 小石 房子
出版社: 作品社
評価: ★★★
カテゴリ: 時代小説
コメント: 孝謙天皇(重祚して称徳天皇)以来、実に860年ぶりの女帝となった明正天皇の物語。生母は二代将軍秀忠の娘・和子。和子が産んだ男子はいずれも夭折したため、徳川の強い要請により幼くして天皇位につくことになったのが女一宮(諡号・明正天皇)であった。江戸時代の女帝についてはあまり知らなかったので、手にとった本である。しかし、である。もしかしたらこの小説のとおりなのかもしれないが、女一宮にあまり主体性が感じられず、結果、物語の密度が薄くなってしまっているように思う。父・後水尾天皇と母・和子の確執も何となく描写がステレオタイプ。若くして譲位を余儀なくされ、その後74歳まで生き長らえた女性なので、他の描き方があったように思うのだが。
関連本棚: 平蔵
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M1(エム・ワン)
M1(エム・ワン)
著者: 池井戸 潤
出版社: 講談社
評価: ★★★★
カテゴリ:
コメント: 文庫本では「架空通貨」と改題されたミステリ。元銀行員の作家だけあって、決算書などが説得力のある小道具となっている。経済小説はあまり読んだことのないジャンルだったのだが、ミステリと融合するとこんなに面白くなるんだなあ、と遅まきながら実感できたのが大収穫。元商社マン、現在高校教師の辛島と、その教え子の黒澤麻紀が物語の主軸を担うが、麻紀の人物造詣の詰めが甘いのは疵。よって星は四つだが、物語の大筋は文句なく面白い。
関連本棚: 平蔵
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午前三時のルースター
午前三時のルースター
著者: 垣根 涼介
出版社: 文藝春秋
評価: ★★★★
カテゴリ:
コメント: 旅行代理店に勤める主人公は、ある得意客から孫息子のベトナム旅行につきあってほしいと話をもちかけられる。聞けば、少年の父親はベトナムで謎の失踪を遂げたと言う—。旅行会社からミステリ作家に転進しただけあって、旅行業界の描写のリアリティーはなかなかのもの。登場人物もそれぞれに魅力的で、物語もテンポ良い。難をあげるとすると、この題名に代表されるように、気障ったらしさが鼻につくこと。言わんとすることはわかるけど…というところでしょうか。
関連本棚: SKZ 平蔵 ちう
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時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈中編〉 (ハルキ文庫)
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈中編〉 (ハルキ文庫)
著者: 眉村 卓
出版社: 角川春樹事務所
評価: ★★★★★
カテゴリ: 現代小説
コメント: 乗っていたバスごとタイムスリップに巻き込まれた中学生とその教師。終戦直後の日本をふりだしに、中編では、ついに本能寺の変直前まで時空を遡ってしまう。少年向け雑誌に連載されていたのか、とにかく無駄がなく、テンポ良く物語が進む。
関連本棚: 平蔵
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時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)
著者: 眉村 卓
出版社: 角川春樹事務所
評価: ★★★★★
カテゴリ: 現代小説
コメント: ジュブナイルの傑作長編。実は私がこの本を読んだのは結構いいトシになってからだったのだが、面白くて一気に読んでしまった。登場人物が全員前向きでうだうだうじうじと悩まないところが良い。ちなみに私の読んだ文庫本では、萩尾望都先生の原画と思しきアニメのイラストが表紙でした。現在のような(普通の)表紙だったら、もう少しジュブナイルの似合う年齢のときに本を手に取っていたかもしれないなあ。
関連本棚: 平蔵
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