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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

塩野 七生
新潮社
ISBN: 4103096012  紀伊國屋, Amazon, WebCat
カテゴリ 人物を楽しむ 歴史
評  価 A
コメント
veri : 『ボルジア家の黄金の血』というサガンの本もあって、久しぶりに2冊併せて読み比べたいと本棚を調べたがない。確か友達に借りて返して自分でも… んーわたしのほうは買っていなかったようだ。わたしはチェーザレより断然ロレンツォ派で。チェーザレの剃刀で切り裂くような清々しいほどの判断力は十分魅力的だけれども、ロレンツォの教養とポエジーと豪胆さを横に並べたらチェーザレの内面はとても貧相に見える。しかしチェーザレの物語において重要なのは個人その人ではなく個人を通して顕現する“歴史”なのだろう。数時間ページをめくるだけで、その事実に畏怖することができるのは歴史家の綿密な仕事のおかげである。
teltel : 最初に読んだ塩野七生の小説で、そのときには借りものだったはず。後に文庫で購入。しかし、今は何故かハードカバーも持っている。ボルジアといえば、ボルジアの毒、などと言われるように悪人の集合のように扱われたりするが、そんなことを知らずに読んだものだから、ひたすら美しいチェーザレにやられてしまったのだった。 この美しさは文章の切れ味の良さで引き出されている。耽美まではぎりぎり踏み込まず、過剰にならない装飾が施されている。ちなみに今読んで、ローマ人の物語なんかと較べれば"若い"と思ったりする。
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最終更新 : 2004-09-17 20:36:48 +0900
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