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中国武将列伝〈上〉
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著者: |
田中 芳樹 |
出版社: |
中央公論社 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
人物を楽しむ
歴史
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コメント: |
これは、とにかく面白く読んだ。中国は懐の深い国で、桁外れの才能が出現する点はとくに日本人に及びもつかない。
<p>最も興味津々だったのは、唐の王玄策という人が遠くインドまで行って連戦連勝したという話と、前漢の陳湯という人がクラッススのローマ軍兵と戦ったという東西交流のあたりの話かな。とにかく、大陸というだけあって、西へ向かえばヨーロッパだし、北へ向かえばシベリア、南へ向かえばインドシナを越えてインド、ということで様々な世界に通じている。
上の二人は両方共に序章に載った人だけど、これ以外にもとにかく人材が豊富な中国。同じく序章によれば、この本はつまるところ、中国の歴史の中から武将について田中芳樹が100 人選んでなんか書こう、という主旨らしい。限られた紙面で100 人なので個々の物語は簡略化されてしまうのだが、様々な毛色の個性豊かな武将たちにはそんなこと関係なく、魅力をいかんなく発揮してもらえる。とにかく面白く読める。 |
関連本棚: |
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Tarosa
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ジェロニモ
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著者: |
フォレスト カーター |
出版社: |
めるくまーる |
評価: |
A |
カテゴリ: |
人物を楽しむ
ネイティブ アメリカン
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コメント: |
メキシコと合州国に対して自由と自立のために40 年ものあいだ立ち向かい続けた、最後のアパッチ戦士ジェロニモの物語。1829 に産まれて1909 に死ぬ。1886 に最後の投降をするまでは戦い続け、投降後は居住区で暮らす。戦いに明け暮れていたにもかかわらず、そこらのネイティブに比べればずっと長生きだ。地理と心理を巧みに用いた狡猾な戦術家で、装備と人員で勝る敵に何度も打ち勝っている。ちなみにジェロニモ(Geronimo)は、聖ヒエロニムスの英語読みと説明されている。
<p>
合衆国成立の過程で、西海岸と中部アメリカに支配が及ぶときに、別の文化を持ったネイティブと衝突する。常にそうであるように西欧人は圧倒的な武力と文明の力をもち、独善的な倫理で支配を進める。その結果、争いが生じ血が流れネイティブに怒りが産まれる。ジェロニモはその最後の体現だ。最終的に降伏したとはいえ、それは選択のうちの降伏であり、結局のところネイティブの魂が負けた訳ではないと結ばれており、最後まで誇り高く戦いぬいた稀有な人である。グローバル化とか言われ、世界が平坦になっている今では、こうは生きられない。結局のところ、合衆国というのは変わっていない。底流に西欧の文明の血を引いており、独善的でキリスト以外の世界が人間世界とは認められていないのだな、とイラク戦などから解る。
<p>
「最後の木が切られちまったら…最後のバッファローが死んじまったら…最後の金塊が掘り出され、最後のインディアンが殺されちまったら…それから先、あんたらは何をするつもりなんだ? きりのない欲でもって何をするつもりなんだ? 子どもたちにあんたらを見習わせるのかね? それからどうする? 最後には何も残らなくなっちまうぜ…あんたら自身のほかにはな」
<p>フォレスト カーター の小説だが、<a href="/teltel/4839700648">リトル・トリー</a> とは対照的に怒りと血と死にまみれた物語になっている。カーターは4 篇の小説しか残しておらず、どれも傑作とくればこれまたすごい人である。 |
関連本棚: |
teltel
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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
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著者: |
塩野 七生 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
人物を楽しむ
歴史
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コメント: |
最初に読んだ塩野七生の小説で、そのときには借りものだったはず。後に文庫で購入。しかし、今は何故かハードカバーも持っている。ボルジアといえば、ボルジアの毒、などと言われるように悪人の集合のように扱われたりするが、そんなことを知らずに読んだものだから、ひたすら美しいチェーザレにやられてしまったのだった。
この美しさは文章の切れ味の良さで引き出されている。耽美まではぎりぎり踏み込まず、過剰にならない装飾が施されている。ちなみに今読んで、ローマ人の物語なんかと較べれば"若い"と思ったりする。 |
関連本棚: |
veri
teltel
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