●名前がいっぱい 96/04/20
小説新潮に書かれた、名前にからんだ話を集めた本。小説のようなエッセイのような、この作者の軽い話のノリ。
匿名、学名、子どもの命名、戒名、あだな、小説の登場人物の名前、一人の人物にいろいろついている通り名、名がつく言葉、名前が無かったら、名前を付けて欲しいという妖怪の話…。
名前というのはその人そのものを表していて、本名は他人には知られない様にしないといけない、目上の人を名前で呼ぶのは畏れ多いので、階級やまたの名で表す。などなど。
そもそも、人間が言葉を操り思考するようになった段階で、何にでも言葉、つまり名前を付けなければ、その物、事を考えることすらできなくなっている。聖書の創世記で神が人に最初にさせたことも、全ての動物に名前を付けることだった。
この本の第3話が、子どもの命名の話で、そこに出てくるのが、女の子が「さき」で男の子が「ゆうき」で、1990年からのトップであるらしい。何をかくそう、私は「ゆうき」だ。
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