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ピンクの神様
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著者: |
魚住 直子 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
この作者の作品は初めて読んだが、嫌味のない小説を書くなあ、という印象を持った。<br>
働く女性が主人公の「卒業」「みどりの部屋」が気に入った。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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完全敵地
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著者: |
加藤 久 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
1986年メキシコW杯。アマチュア主力の日本サッカーが、最も本選出場に近づいたと言われるW杯である。そのアジア予選での日本チームの力闘を描いたノンフィクション。<br>
当時のW杯予選に対する日本メディアの冷たさは、今日の状況を考えると隔世の感がある。また、1986年の時点では、北朝鮮が戦前からの平壌サッカーの伝統を保っていたこともわかる。<br>
筆者は代表選手であった加藤久だが、理知的に文章がつづられているのが印象に残った。特にサッカーなどのメジャースポーツのノンフィクションでは、「わかる人にしかわからない」記述が目立つ傾向があるだけに、専門用語に頼りすぎず、素人にも理解しやすい内容に仕上げている点は高く評価したい。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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僕たちのミシシッピ・リバー―季節風 夏
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著者: |
重松 清 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
安定感のある家族小説。個人的には「べっぴんさん」が良かった。「ささのは さらさら」には、男性から見た妻への願望が垣間見られて思わず苦笑してしまった。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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ひろいもの
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著者: |
山本 甲士 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
安定感のある連作小説。各話とも、偶然拾ったものによって人生が変わるというコンセプトは共通しているものの、味付けがさまざまで飽きさせない。<br>
山本印の小悪党が活躍する「バッヂ」は、読者の予想の斜め上をいく展開。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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金色の野辺に唄う
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著者: |
あさの あつこ |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
因習の残る山陰の町で暮らし、92歳で大往生をとげた松恵。松恵との忘れ得ない思い出を持つ、残された者たちの物語がつづられる。<br>
ものすごく面白いわけではないのだが、この作品の根底を流れる、豊穣な田舎の秋の空気がとても心地よかった。松恵の娘である奈緒子の章だけが、何となく消化不良。最終章はむしろ、奈緒子の姉に語らせた方が良かったかも。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
さちまま
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われに千里の思いあり〈上〉―風雲児・前田利常
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著者: |
中村 彰彦 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
どうもこの作者の女性観と私は相性が悪いのだが(お江与の方の気性が激しくて徳川秀忠が側室を置かなかったなんて、ホンマに信じているのだろうか?)、加賀百万石を磐石なものにした前田利常という人物に興味があったので読んでみた。<br>
利常という人物は、もちろん天稟もあるのだろうが、それ以上に、非常に運が良い人だったことがわかる。<br>
それにしても、利常の家督相続によって、忘れられた側室から一転「おふくろさま」になった利常生母の人生を思うと、心中複雑である。女性とはなんと切ない生き物であるか、と。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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生きて、生きて、生きて―愛の極みまで
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著者: |
曽野 綾子, 16人の宣教者, 木村 博美 |
出版社: |
海竜社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
海外邦人宣教者に対する、曽野綾子を中心とした支援活動については、『神さま、それをお望みですか』に詳しい。こちらを読んでから、本書を読むのがおすすめ。<br>
この本で取り上げられている宣教者が、いずれも高齢(中には既に召天された方もいたが)だったので驚いた。敢えてベテランの方にスポットを当てたのか、それとも後続があまり育っていないのか…。ある種異常な清潔病が蔓延する今の日本では、衛生状態の悪い土地への献身者は出てきにくいのかもしれない、という危惧を抱いた。
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関連本棚: |
三代目平蔵
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虚栄の肖像
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著者: |
北森 鴻 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
天才絵画修復師・佐月恭壱が活躍するシリーズ第二弾。<br>
収録されている三篇は、いずれも筋書きは悪くない。特に最初の表題作などは、ミステリとしては秀逸な出来。だが、いかんせん文章が回りくどすぎる。もう少し焦点の定まった文章で物語を読みたい。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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火星ダーク・バラード
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著者: |
上田 早夕里 |
出版社: |
角川春樹事務所 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
ストーリーテリングのうまさ、文章の巧みさが光る長編SF。この作家はヒューマンドラマを描かせたら光る個性を持っているように思う。そういう意味では、科学的薀蓄が重視されるSFというジャンル(の読者層)は、あまりこの作家にあっていないのかな、とも思う。 |
関連本棚: |
くわーてぃ
medihen
三代目平蔵
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ほまれ
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著者: |
澤 穂希 |
出版社: |
河出書房新社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
W杯以来、澤選手の足跡はテレビで何度も紹介されており、食傷気味の人もいるだろう。<br>
が、彼女の半生をより掘り下げて知りたいファンには、この本の一読を勧めたい。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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少しだけ欠けた月―季節風 秋
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著者: |
重松 清 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
四季をモチーフにした短編集の秋編。<br>
それぞれの家族の一瞬を切り取った短編は、本当にうまい。<br>
イチオシは太った男の子の葛藤をコミカルに描いた「ヨコヅナ大ちゃん」。私、彼の気持ちがわかります(食べ物が美味しいところとか)。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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神の狩人 2031探偵物語
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著者: |
柴田 よしき |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
帯に踊る「ダークヒロイン」の文字にちょっと腰が引けたが、びびるほどではなかった。と言うより、普通に正義の味方であった…。<br>
柴田よしきさんの近未来ものは当たり外れがあるので、あまり期待していなかったのだが、予想以上に面白かった。終盤になるほど疾走感が増していくのは、作者がのっている証拠。失速しないうちに是非第二弾を発表してほしい。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
まーも
二瓶
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もう誘拐なんてしない
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著者: |
東川 篤哉 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
下関・門司が舞台の脱力系ミステリ。作者のユーモアセンスと、全編に漂うローカル臭がたまらない。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
melito
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絶対弱者―孤立する若者たち
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著者: |
三浦 宏文, 渋井 哲也 |
出版社: |
長崎出版 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
「絶対弱者」という新語を提示して議論を展開しているのだが、新語に対する筆者二人の定義がずれ過ぎている、ある意味画期的な本(しかも確信犯)。<br>
個人的には教育現場に密着した三浦さんの視点の方が面白かった。教師視点からの教育論は数あれど、膨大な数の、しかもいろいろなレベルの生徒に接している予備校教師の目から見た教育ルポは新鮮である。同じテーマについて、三浦さんに一冊書いて頂きたい。
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関連本棚: |
三代目平蔵
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沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子
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著者: |
高木 凛 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
タイトルがちょっと仰々しいのが難だが、一人の女性の一代記として面白く読んだ。<br>
それにしても、商売で大成する女性というのは、家庭の不幸がセットで付いてくる感じがする(家庭の不幸をばねに一念発起するというパターンも多いが)。女に商才があるというのは、果たして幸福なのか、不幸なのか。 |
関連本棚: |
三代目平蔵
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