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ピーター先生と中学入試の算数に挑戦!
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ピーター フランクル
新潮社
ISBN: 4105413015
紀伊國屋,
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カテゴリ |
数学
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評 価 |
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コメント |
増井 :
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中学入試の算数問題には流行があって、
最近別の学校で出たのと同系統の問題が出題される可能性が非常に高い。
そういう傾向の問題については
子どもに教えたくなる算数 (講談社現代新書)
に詳しいが、
この本ではあまり流行に関係無い面白い問題がとりあげられている。
2001年の中学入試問題を解いたもの。小学生新聞の連載らしい。
華麗な解法や関連エピソードを期待したのだが、普通の解き方をしているものが多く、あまり面白い話はなかった。
残念ながら、あまり適切と思えない解法をしているものまであった。たとえば下の問題:
長方形ABCDにおいてAB=15cm,AC=20cm. CF=10cm, FD=5cmとなる点FをCD上にとり、直線AFとBCの交点をEとする。四角形BEFDの面積はいくらか。
これに対するピーターの解答は以下のとおり:
直線AFを延長してBDと交わる点をGとする。またEからBDに垂線をおろして交わる点をHとする。 △ABGと△FDGは相似だから AB:BG=FD:DGであり、AB=15cm, FD=5cmだから BG:DG=3:1となり、DG=10cmになる。 △BEHと△BCDも相似だから、EHの長さをaとすると BH = 4a/3 になる。また、前述の相似関係よりHG=2*EH=2aであり、 BG=10a/3となる。BG=30cmだからa=9cmである...(続く)
補助線から変数まで導入して計算してやっとEのY座標が求まったわけであるが、まだ面積は求まってないし...?
模範解答は以下のようになるだろうか。
△ABEと△FCEは相似で、AB:CF=3:2だからAE:FE=3:2である。 △FECの面積は△AFCの面積の2/5になり、10*20/2*(2/5) = 40cm2 四角形BEFDの面積は、 △BCDの面積から△FECの面積をひいたものだから、150-40=110cm2.
模範解答のように面積を直線計算しなくても、三角形の相似関係からEの座標はすぐわかるわけで、ピーターのようなややこしい計算をする必要は全くない。もっと良い解法が無いか真面目に考えないで答を書いてる気がする。
他にも適切と思えない解答をしているものがあったし、こぼれ話も不充分で、全体的に手抜きな印象があった。期待しすぎたのかもしれないが残念である。
中学入試の算数問題というのは整数論的問題/パズル的問題/幾何クイズ問題の山であり、頭の体操にはもってこいである。予備知識がほとんど必要とされない点が良いのかもしれない。 (いろんな趣味は大抵修業が必要だが、パズルを解くのに修業は要らないので) 老化防止にも役立つかも?
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最終更新 : 2009-02-08 00:29:17 +0900
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