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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)
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著者: |
クリストファー・プリースト |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
いい年こいたおっさんが、お互いにお互いを攻撃しまくる大人げない話ではあります。「語り」のトリックを使ったネタなので、一方の語りをどう覆すか、ごまかすか、などなど、読み込めば読み込むだけ面白い小説です。こういう「多方面からの語り」によって成り立っている小説が好きな人にはお勧め。<br>
奇術師としての手記なので、トリックに関しての解説も面白いし、片方のトリックがどうしても見破れなくて、とうとう道を踏み外してしまうもう片方の哀れさという人間模様も見えて、なかなか読ませる作りになっています。全体の軸としては、もうひとつ周りに「現代」の枠を作り、主人公が始終感じている「双子の片割れの問題」がどう説かれるかが鍵となり、その鍵を握っているらしい没落貴族の女性との展開が、もうちょっとあると面白かったかもなあ、とは思いました。そういう「ものたりなさ」を感じたところでのこの評価ですが、読んでて面白いですよ。分厚さ、そして「ファンタジー」という言葉にひるんでいる人は是非、手に取ってみてください。 |
関連本棚: |
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ABC戦争―plus 2 stories (新潮文庫)
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著者: |
阿部 和重 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
田舎
不良
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コメント: |
表題作は、ずっと前に単行本を読み始めで投げ出しっぱなしだったのだが、文庫になったのを機に読み直してみたら、非常に面白い作品だったことに気付いた。あー、投げ出して失敗した。<br>
山形を彷彿とさせる地方の、電車通学の高校生たち。あんまり頭がよろしくない彼らは、電車の中でもなわばり争いをしたり粋がったりするのだが、もう全編方言まみれ。ずっと昔、山形に近いうちの田舎で、県内の地方都市対地方都市を企画して、そこに住む若者が「どっちが都会か」言い争うテレビ番組の企画があったが、あれを思い出させる馬鹿馬鹿しさだ。この人の作品は、ばかばかしいほど滑稽なことを、真剣にやっている人たちを描くことが多く、何となく記憶の中に痛いものを思い起こしながらも、一気に物語に引き込まれてしまうんだよなあ。<br>
併録されているもう二篇も、また違ったトーンが楽しめてそれぞれにいい。特に「公爵夫人邸の午後のパーティ」の馬鹿馬鹿しさったら無い。これは、三島由紀夫の「恋の帆影」なんかをちらり彷彿させる小品だと思う。<br>
これに出会わなかったら、阿部和重の面白さに気付くこともなかったように思う。オールタイムベストに入るかも。 |
関連本棚: |
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