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チェーホフ (岩波新書)

浦 雅春
岩波書店
ISBN: 4004309263  紀伊國屋, Amazon, WebCat
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K内 : 小見出しをいくつかあげると、 「不条理な現実」「感情の切断」「チェーホフの『非情』」「内部に巣くう『冷静さ』」「否定の論理」「崩壊する『意味』」「『絶望の詩人』」「『ここではないどこか』」… こうして並べると、チェーホフファンを名乗るのははずかちい気もします。 痛いとこ衝かれた気分です。
ただ、そういう絶望とかペシミズムとかシニシズムとかってんですか、 が、若気の至りにあってはたまんないんです。
最終章の最終節「呼びかけと応答」では、チェーホフ晩年の、 てかサハリン行以降、もっと言えば『退屈な話』以降の作品における 「希望」について述べているのです。 いわく、「『音』や『呼びかけ』、そしてそれにこたえる『応答』は、チェーホフが『無意味』のはてに見出したかすかな光だった。」と。
たとえば『ワーニャ伯父さん』も『かわいい女』も『犬を連れた奥さん』も、 ロシア語では呼称、つまり呼びかけの形をとってるんだそうですよ。 『かわいい女』は英訳では「The Darling」だそうですよ。⇒(英訳) へえーーーでした。
なんですが、 なんとなく、こじつけ的な印象を受けてしまいました。 別に、無理に、かすかな光を見出したことにしなくてもよい気がして。。 それより、なんていうか、あきらめ、ていうんですかね、 結局思い通りには行かないけど、生きてくべ、的な、その辺が、 泣けるんですよこれがチェーホフは。
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最終更新 : 2006-05-14 02:35:08 +0900
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