コメント: |
1962年生まれで東久留米の南の滝山団地で育った著者。1965年生まれで、同じ東久留米の北側の団地で育った自分。
出てくる地名や風景が子供時代の記憶を想起させるうえ、一方でやはり学校のクラスからは多少の距離を置き塾に通い(地元ではあったが、クラスメートたちは半分が四谷大塚に通い、男女の御三家に合格していった)中学受験を体験した自らをどう重ね合わせ、ただし何が違うのか。学者は自らを主人公にして語ることは禁忌と言いながら、個人は社会から切り離せず、社会を描写するためには個人を語らなければならない、という逆説の中で、非常に貴重な証言だと言える。
そして、自分の育った時代と環境を時代背景を重ね合わせることが普通の人にはできていないことだとも思った。
7/22読了 |