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ムージル著作集 第2巻 特性のない男 2
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著者: |
R. ムージル |
出版社: |
松籟社 |
評価: |
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カテゴリ: |
ドイツ
小説
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コメント: |
小説としては、ムージルの意地の悪さ全開。まだ途中だけれど、オーストリアの連中が急に、自分たちをドイツとちがう存在として位置づけなければ! オーストリア人が偉大民族であることを訴えなければ! という焦燥感にかられて、平行運動というのをはじめて、人類における偉大なモノはすべてオーストリア発なのだという主張をして(まるで韓国人みたい)なにか壮大な文化事業をしようとする。ところがもちろん、そんな事実はどこを探しても出てこない! おかげで運動は、運動だけはあるけど中身が何もない。何かこの運動をまとめる大きな原理が、大きな哲学がなければ! と焦っていろんな委員会を組織したりするうちに、話はだんだんわけわかんなくなってくる。「なんかわからないけれど、それはオーストリア的なすごいものであるはずなのだ!」 |
関連本棚: |
nobody
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The Misbehavior of Markets: A Fractal View of Risk, Ruin, and Reward
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著者: |
Benoit B. Mandelbrot, Richard L. Hudson |
出版社: |
Basic Books |
評価: |
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カテゴリ: |
金融市場
経済理論
経済
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コメント: |
ベノワ「フラクタル」マンデルブロが、自分が構築に大きく寄与した効率的市場仮説を自らひっくり返したに等しい本。いや、ひっくり返してはいないんだけれど、そのいまの形式の一仮説になっている、ランダムウォーク仮説をひっくり返す。株価の変動はランダムウォークではなく、フラクタルに従うのだ、という。そしてこれにより変動はランダムウォークから得られるものより大きくなる。というか、平均値に近い部分が増える代わりに、裾野が広がる。だからこれまで思われていたよりも市場は安定しているけれど、でもこれまで思われていたより派手にふれることがある、という話。ただ、なぜそうなるか、という理屈は説明できていない。 |
関連本棚: |
nobody
なお。
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ムージル著作集 第1巻 特性のない男 1
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著者: |
R. ムージル |
出版社: |
松籟社 |
評価: |
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カテゴリ: |
ドイツ
小説
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コメント: |
二〇世紀の何大小説の一つに数えられることが多いのだけれど、読んでいるとムージルの場合、長さが裏目に出ているような気がする。かれのよさは、ことばにあるいくつかの連想の一番弱いものをなぞってちがうところに出てくるような、コノーテーションの使い方の意外性と、それに伴うことばのひらりとした裏返りかたにあるのだけれど、長編だとそれを必要以上に説明してしまうのでおもしろみに欠ける。ちなみに、これはまさにムージルが一部の人に嫌われる理由でもある。 |
関連本棚: |
nobody
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青白い炎 (ちくま文庫)
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著者: |
ウラジーミル ナボコフ |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
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カテゴリ: |
ロシア
小説
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コメント: |
訳者の富士川義之は、どうもあまり一般常識がない人のようで、昔から「ポニーテール」とか「トップギア」なんてのにいちいち訳注をつけたりする。それは本書でも健在。序文で、ところどころに忍び込んでくる違和感、そして詩を経て、訳注を読むにつれてだんだん全開になる解説者の狂気は実に楽しいし、最後に詩人がストーカー解説者に殺されてしまうあたりはほとんど爆笑もの。この快感を味わうには、途中の凡庸な詩も我慢して通読しよう。この詩の部分を高く評価する人々もいるんだけど、ぼくにはつまらないとしか思えないし、小説の構成から考えて、ここの詩は愚作であればあるほどいいのだ。そしてまさにその通りになってる。 |
関連本棚: |
カザノ
nobody
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ムージル著作集 第7巻 小説集
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著者: |
ローベルト ムージル |
出版社: |
松籟社 |
評価: |
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カテゴリ: |
ドイツ
小説
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コメント: |
ムージルを一冊買うならこれ(か岩波文庫のやつ)。「テルレス」も「三人の女」も「愛の完成」も入ってる。「特性のない男」をがんばって通読するよりもムージルの価値がはっきりわかると思う。 |
関連本棚: |
nobody
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はるかなる視線〈1〉
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著者: |
クロード レヴィ・ストロース |
出版社: |
みすず書房 |
評価: |
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カテゴリ: |
神話
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コメント: |
エッセイ集だが、冒頭の一文はなかなか深淵。創造性は、他からの影響の中でしか生じないのだ、と論じていたレヴィ=ストロースはここで、でもすべてが自由に流通しあう中でも創造性は死ぬ、創造性は情報が漠然と伝わるくらいでないと発揮されず、差別と残酷と偏狭さと排外主義がなければ養われない、と述べる。つまり自由すぎるコモンズは創造性を殺す…… |
関連本棚: |
nobody
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La Jetée: ciné-roman
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著者: |
Chris Marker |
出版社: |
Zone Books |
評価: |
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カテゴリ: |
美術
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コメント: |
映画「ラ・ジュテ」をそのまま写真集にした一冊。あの映画を見た
人ならわかる通り、映画がそのまま本になった希有な一例。もっとも
クリス・マルケルの映画はもともと小説に近いので、この手の処理
になじみやすいというのもある。サン・ソレイユでこれをやってほしい。 |
関連本棚: |
nobody
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Orlan: This is My Body...This
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著者: |
Parveen Adams |
出版社: |
Black Dog |
評価: |
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カテゴリ: |
美術
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コメント: |
整形アーティストの本。整形前、整形後の自分(ついでに整形中の自分)を
写真に撮って「作品」に。ちなみにここに挙がっている表紙は実物とちがう。
Amazon にいくと実物が見られるが、ぐろいものがダメな人は見ないこと。 |
関連本棚: |
nobody
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