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ハッカー (偕成社ミステリークラブ)
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著者: |
マロリー ブラックマン |
出版社: |
偕成社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
etc
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コメント: |
どっかの書評を読んで面白そうだと思ったので取り寄せてみた。……んだけど、ジュブナイルとは書いてなかったぞ!(たぶん) まぁ、けっこう楽しかったのでよかったけど。
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子供にも理解できそうなギリギリのところまでコンピュータの説明を単純化して、眉をひそめるような描写は極力排除してある。もっとも、これを読んで銀行に侵入したくなる子供が出ないとは限らないが……。大人が読めば途中で犯人が割れてしまうけど、子供相手なら大丈夫かな? とりあえずハッカー予備軍の読書としてはアリか。 |
関連本棚: |
sho
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ハル (文春文庫)
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著者: |
瀬名 秀明 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
読んでいてちょっと悲しくなってしまったのだが、もはやロボットをネタにしてもSFにはならないのだ。ロボットそのものにはもう驚きの要素はなくて、現在の状況から演繹できる技術でしかない。本書は2002年に出た単行本の文庫化であるにも関わらず、ロボットを取り巻く状況を描いた普通小説になってしまっている。それが良いとか悪いとかではないのだが、ちょっと寂しい感じがした。
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瀬名秀明と言えば、デビュー作の『パラサイト・イヴ』を読んで、せっかくハードSF風に進んでいた話が最後はオカルトになってしまってかなりガッカリしたのだが、本書でもその傾向は変わっていない。すごく調査取材をして、細部までしっかり描きこまれているにも関わらず、肝心の主題がスピリチュアルな方向に進んでしまい、拍子抜け。しっかりした土台だけ作ったところで予算が尽きた建物を見ているようだ。ただし、ロボットを介在にしたラブロマンス(?)「亜希への扉」と、ロボットを作る人間の情熱に焦点を当てた「アトムの子」はそういう「逃げ」がなく、収穫だった。
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関連本棚: |
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OG3
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ぜふの本棚
sho
にしむら
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ねじの回転 (上) FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)
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著者: |
恩田 陸 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
解説では本格SFであるかのように書いてあるが、時間旅行ネタにもかかわらず技術的なヨタはいっさい書かず、肝心のタイムパラドックスもなく、よく考えると設定自体が矛盾だらけという、時間SFと呼ぶにはあまりにひねった設定。正直これは、ファンタジーかな、と思う。たぶん「SF」を期待して読むと肩透かしを食らうのではないかな。
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とはいえ、安直な歴史改変モノとは違い、その構成力はやはりたいしたもので、物語を楽しむ点においては十分な出来だと思う。登場人物たちの悲哀に感情移入するもよし、時間の階層構造からメタな思索にふけるもよし(これはちょっとイーガンっぽい楽しみ方かも?)。まぁ、何度も時間を行ったり来たりするので、SF慣れしてない人は途中で付いてこれなくなるかも知れないけど。
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関連本棚: |
F
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/sho/4152084863
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著者: |
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出版社: |
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評価: |
★★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
クライトンのテクノ・スリラーに求められているのはエンターテイメントであって、別に警句みたいなものは求めてないわけよ。だから、こういういかにもな前書きを書かれると鼻白んでしまうな。
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とは言え、本編は例によってハリウッドがよだれを流して欲しがりそうなよくできた娯楽小説である。ホント、砂漠に作られた白いブロック状の研究所とか、光り輝く化学プラントとか、ナノマシンの黒い雲、地下洞窟の巣……と言った、(ハリウッド的に)「絵になる」描写にはこと欠かない。
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プロットは、『ジュラシックパーク』とまったく同じ……倫理観の欠如した企業の作った先端テクノロジーの産物が制御を失って逃げ出し、対応が遅れて人が何人か死んで、主人公の勇敢な行動でいちおうの決着をみるが、完全な解決にはなっていない……なので、安心して(?)楽しめる。
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褒めてんだかけなしてんだか、よくわからんな(笑)。いや、面白かったよ、うん。 |
関連本棚: |
tanaka
mie
sho
しんじの本棚(2002年9月〜2003年)
lookwest
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マインドスター・ライジング〈上〉 (創元SF文庫)
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著者: |
ピーター・F. ハミルトン |
出版社: |
東京創元社 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
鶴田謙二の表紙にひかれて買ってしまったが、謎解き要素があるにもかかわらず、あまりにストレートで寄り道やどんでん返しのないストーリーに唖然。そのくせ妙に描写が細かくて「そんなに書き込まなくてもええやん」と思うくらいくどい。解説によればこれが作者の味らしいが。もっとさくっと読めたら面白かったかも知れないが、エンタテイメントに徹しきれてないところが×。 |
関連本棚: |
Gandalf
sho
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km
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ソフトウェアの匠
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著者: |
まつもと ゆきひろ, 萩原 正義, 八田 真行, 高林 哲, 羽生田 栄一 |
出版社: |
日経BP社 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
Computer
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コメント: |
こんなタイトルの本を作るなら「本の匠」に登場願いたいところだが、そうはいかなかったようだ。コンテンツは悪くないのに、本の作りがどうしようもない。
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なんと言ってもタイトルが悪い。「ソフトウェアの匠」という語から連想するのは、ずばり「ハッカー」だろう。でも、確実にハッカーと呼べそうなのは、まつもとさんと高林さん、あとはBIOSの人くらい? オープンソースや特許の話から「匠」というイメージは抱けない。キーボードの話なんて完璧に「ハードウェアの匠」やんけ!
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それから紙質。こんなに厚くて質の悪い紙を使ったら、厚くてめくりづらい本ができるのはあたりまえじゃないか。ページを繰るたびにげんなりするようじゃ、どんなに内容がよくてもダメだよ。アスキーの256倍シリーズより安っぽいのに2500円は高すぎる。
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というわけで、中身の話にたどり着けないので割愛(ってをい)。冒頭の二人の話はネットでしょっちゅう読んでいるので、復習程度。中ほどでシステムやらアーキテクチャを語っている二人は、巻末で対談もしているが、書
いてることと言ってることが違うと思った。対談では「土俵を変えて勝負しないと」とか言っていながら、書いてることは現在の主要技術の全面肯定もいいところで、これじゃ「普通のやつらの上を行」くのは無理だよな。BIOS、キーボード、検索の話は面白かったし、特許の話も知らないことがかなりあった。ほら、内容はいいんだよ、内容はね(少なくとも半分くらいは)。 |
関連本棚: |
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僕たちの終末
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著者: |
機本 伸司 |
出版社: |
角川春樹事務所 |
評価: |
★★ |
カテゴリ: |
SF
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コメント: |
恒星間宇宙船を作る話だと聞いたので、『第六大陸』みたいなエンジニアリングSFかも(!)と期待してしまったわけだが、正直、期待はずれもいいところであった。
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アイデアは悪くないと思う。絶滅を目前にした人類の地球脱出のためなら、工期や費用がちょっとくらい無茶な設定でも通るだろうし。ところが、実際に作るところはいっさい出てこないのである。前半は丸々、どんな宇宙船を作ろうかという思考実験だけ。ネジ一本締めない。で、ページをめくると、もう完成間近。設計だけで船ができると思ってるとしたら、作者はエンジニアリングをなめすぎだ。おかげでリアリティは完全に失われた。
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キャラクタの造形もお粗末。特に女性の描写が、なんというか、実に童貞臭い。あまりに類型的なので、思い浮かんだのはギャルゲーの設定資料だった。主要な3人の女性の設定はたぶん「ツンデレ」「ロリ」「お姉さま」といったところ。あちこちに女性差別っぽい描写も多く、女性の扱いに慣れていない感じだ。
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主人公も、技術力もカリスマ性もなく、あるのは夢と熱意だけという設定なのに、ちっともその「熱」が伝わってこない。他にも、明日にも人類絶滅かという時代なのに、登場人物たちには緊迫感も悲壮感もないし、ロボットみたいで人間らしい息遣いが皆無。どうにも描写力が足らないのである。これでは感情移入のしようもない。
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