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さらばガラパゴス政治―決められる日本に作り直す
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著者: |
野中 尚人 |
出版社: |
日本経済新聞出版社 |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
政治でモノが決まるのも首相がしょっちゅうかわるのも政治家のせいではなく、国会にすべての権力が集中している現状のシステムが悪いのだ。
という新たな視点にフォーカスを当てているが、あまり新しい知見はなかった。
阿部政権の国会改革にエールを送っているようだ。 |
関連本棚: |
sshinji
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数学者の無神論―神は本当にいるのか
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著者: |
ジョン・アレン パウロス |
出版社: |
青土社 |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
神はいるという論証に対する分析をあくまでも数学的に検証しようとする。実は、我々の認知的に陥りやすい論理の誤りを指摘していて面白い。 |
関連本棚: |
sshinji
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世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション
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著者: |
サルマン・カーン |
出版社: |
ダイヤモンド社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
教育
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コメント: |
TEDのビデオだけではわからない、Kahn Academyの誕生から現在に至るまでの経緯、彼の教育に対する考え方、情熱、愛情が伝わってくる本である。プロイセン型教育というのが、施政者のための服従しやすい市民を作るのが目的であり、現在の教育の目的と合致しないというのが、最も心に響く。"Disrupting Class"とあわせて、すべての教育者必読の書 |
関連本棚: |
sshinji
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ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?
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著者: |
ダニエル・カーネマン |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
確率は残酷な事実である。それを認めたがらないシステム1
諸行無常とはよく言ったものだ
専門家の直感より、データ分析を
映画「マネーボール」でも言われたことだが、こうして科学的に見せられるとショッキングでさえある。
直感で生きてきた人生を反省
ビッグデータ時代の指針でもある。データという証拠が集められるようになった今、
専門家はデータの前に廃業である。
下巻は多少専門的になりつつも、システム1の誤りをいかに避けるか、最後はどのようにしたら幸福になれるかの示唆に富む。
計画を実行に移す前の「死亡前死因分析」は人生訓である。
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関連本棚: |
blackbird
mufuf
QP11
ks
sshinji
増井
岸リトル
ogijun
noteのおすすめ
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クール革命―貧困・教育・独裁を解決する「ソーシャル・キュア」
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著者: |
ティナ・ローゼンバーグ, Tina Rosenberg |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
貧困やエイズ、禁煙、ダイエットなどの問題を本書でいう「ソーシャルキュア」人々のつながりによる人間集団が持つ自浄能力、が解決するのに有効であることが様々な例を持って紹介されている。これらの問題が、人々が孤立しているからこそ解決されない時、人々の結びつきから入り、あとは人間の自然治癒力に任せようというアプローチは、よく働く。「重要なのは情報ではなく(誰から聞くかという)アイデンティティなのだ」同時に人間集団だからこそ抱える問題点もまた、顕在化するのも弱点であり、ソーシャルキュアにとっては障害となる。
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圧巻はこの本の日本語タイトルにもなっているセルビアにおける「オトポール」の活動だ(8、9章)。非暴力、クールな革命をソーシャルキュアの手法を使って成し遂げ、ミロシェビッチを退陣に追い込み、東欧のカラー革命の流れを作った。その後のオトポールの挫折はソーシャルキュアが社会と結びつけばつくほど、解決の難しい問題を抱えていくことが、現れている。
<br>
総じて、「ソーシャルキュア」とは人々の結びつきを核とするソーシャルイノベーションの手法であるともいえる。アメーバ型の組織であればこそ、様々なアイデアが自律的にくみ合わさって、困難な問題を解決していく。
一方で、ポジティブなピアプレッシャーによる活動が「ソーシャルキュア」であるとすると、ネガティブなピアプレッシャーによる活動は、現代のテロ組織やカルトである。10章では、善と悪の組織の戦いが描かれる。悪のピアプレッシャーに勝てるのは善のピアプレッシャーしかないのだ。善のピアプレッシャーは我が国でいうといい意味での村組織、隣組である。米国での例が紹介されているが、高度成長により、個を選択した我々は、善のピアプレッシャーが生み出せる環境を失ってしまったのかもしれない。
ソーシャルキュア=ピアプレッシャー+ソーシャルイノベーション
である以上、イノベーションのジレンマとどのように戦うかが問題なのだ。また、コミュニティの再生も問題だ。 |
関連本棚: |
sanpei
岸リトル
sshinji
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文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
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著者: |
ジャレド・ダイアモンド |
出版社: |
草思社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
本との出会いって、いろいろな形があって面白い。書評で出会うものもあれば、人から教えられたりすることもある。この本の場合は少しかわっている。そのころ、podcastにはまっていて、よく聞いたのが、AustraliaのABCというサイエンスチャネル。電車の中で聞いた著者の話が面白かったので、本を読んでみようと思った訳。そのときは、「文明崩壊」の話だったかな。
人類史1万3000年の本書の旅は、ニューギニアの政治家ヤリの作者に対する素朴な問いかけから始まる。
「なぜ、白人は発展し、我々はそうではなかったのか?」
今日の世界における格差がなぜ、どのように生じていったのか、ある民族は発展し、他の民族を征服したが、なぜ、その逆でなかったのか。このような人類史における問いかけを歴史や社会や経済といった人文学的に語ろうとすると、宗教や世界観に偏ってしまいがちだ。しかし、本書は、文明の発展と崩壊の謎を生物学者の視点から説いていく。生物学者の視点は生命としての人間の根源的な部分とシステムとしての人類、そこから派生する社会や技術といったものの関係をきわめて、冷静に分析してみせる。ある文明が別の文明を征服するということが、きわめて冷徹に観察されている。
人類史を科学しようとするとき、仮説を立てることができるが、実験を行えない。そこを、様々な民族の発展と征服の歴史の例を取り上げることで、比較してみせる。しかも、その筆致はきわめて饒舌であり、ミステリーのように読む人を飽きさせない。日本人なら業と呼ぶであろう、人類の征服、被征服の歴史を「銃、病原菌、鉄」という3つのキーワードで冷静に説いてみせる。
民族の対立をグローバルな視点でとらえるとき、本書の冷徹な視点が役に立つ。環境問題を考えるとき、人類がその誕生の瞬間から環境を破壊して生きながらえてきたということを実感する。後半では、文字のような技術が、どのように発展し伝わっていくかを分析しており、イノベーションやデザインが模倣され受容され、時には滅びていく文化のプロセスを知ることができる。
よく「日本人が農耕民族だから欧米人の狩猟民族には勝てない。」といわれるが、農耕と狩猟が人類にもたらした効能を考えると、これが、実は逆であることが2章で明らかになる。
気に入った人は、続編である「文明崩壊」も続けて読むことをお勧めする。文明が崩壊する様々な要因について科学的な分析を試みている。有名なモアイ像がイースター島文明の崩壊の原因であるとは、意外だった。
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関連本棚: |
blackbird
増井
ダイスケ
jkoba0512
ks
sshinji
大学時代に読むべき一冊
大学生のための100人100冊
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明治・父・アメリカ (新潮文庫)
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著者: |
星 新一 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
昨今、日本人がだらしない.そのことは幕末や明治の人たちを見ればわかる.我が国にまだ武士道があり、高潔な誇りがあった.
田舎の貧乏な暮らしから米国に留学し、一台で製薬会社を立ち上げるまでの星新一の父の伝記であるが、至る所に失われた日本人の誇りを感じることができる.息子による父の自伝も星新一のスタイルでウェットにならずに書かれている.息子に読ませたい本. |
関連本棚: |
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仮想世界錬金術―モバイルソーシャルアプリに見る現代ディジタルコンテンツ革命
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著者: |
山上 俊彦 |
出版社: |
ACCESS |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
インターフェース
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コメント: |
「モバイルソーシャルアプリに見る現代ディジタルコンテンツ革命」と副題がついている通り、今をときめくモバゲーの話なのだが、これまであまり語られてこなかった「人はなぜソーシャルゲームにはまるか」という仕掛けの部分を指摘していて面白い.本人の話が面白かったのだが、最後の方はちょっと筆が滑ったか.米国では、Persuasive Technologyというまじめな学問でもある世界だが、我が国でそれが、いち早くソーシャルな分野に展開し、しかも、ビジネスになっているところが、非常に面白い. |
関連本棚: |
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イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)
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著者: |
P.F.ドラッカー |
出版社: |
ダイヤモンド社 |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
ドラッカーによるイノベーションに対する企業家の心構え。クリスチャンセンとは異なり、イノベーションも破壊的なものでは決してない。しかし、豊富な例を挙げて、それに対する心構えを説いている。
ドラッカーはイノベーションの機会を7つに分類している。
すなわち、
予期せぬ成功と失敗を利用する
ギャップを探す。
ニーズを見つける。
産業構造の変化を知る
人口構造の変化に着目する。
認識の変化を捉える。
新しい知識を活用する。
14章 公的機関における企業家精神は、大学や政府におけるイノベーションがいかに難しいかを明快に語っている。
「公的機関は明確な目標を持たなければならない、公的機関は実現可能な目標を持たなければならない、いつになっても目標を達成できなければ、目標そのものが間違っていたか、あるいは少なくとも目標の定義の仕方が間違っていた可能性のあることを認めなければならない。」
最後に、いい言葉。
「(マネージメントに)常に必要とされるのは、学び続け、粘り強く働き、自らを律し、適応する意思である。」
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