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妖星伝 (1) (講談社文庫)
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著者: |
半村 良 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
日本
小説
SF
伝奇
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コメント: |
半村良が実に20年の歳月を費やして完成した伝奇文学の最高峰。<BR>
我が国において,古来「神道」と対極にあったとされる「鬼道」,その信徒たちは皆超能力を持ち,破戒仏を尊み,戦乱と流血の影に暗躍して来たという。江戸は飢饉,腐敗の田沼時代,伝説の統率者にして不死身の存在「外道皇帝」が再臨するという……。<BR>
うう,これ以上なにを言えよう。読む者の宗教観,世界観,生命観,倫理観,宇宙観をもひっくり返す空前絶後の力業。日本語が読めるなら,「妖星伝」を読まぬうちに死ぬな。 |
関連本棚: |
ブースカ
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BH85
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著者: |
森 青花 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
日本
ユーモア
小説
ファンタジー
SF
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コメント: |
著者のモリさんとはお知り合い。京都…大阪だっけ? 在住の主婦兼鬼のようなプロレスファンのヒトであり,東京に観戦に来た時などには新宿で飲んだりしたもんなのだ。この本はそんなモリさんが,1999年に日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した作品。<BR>
元々は「究極の毛生え薬」であった遺伝子組替え生物 BH85 がひょんなことから突然変異して大増殖,京都府鳥羽下水処理場を皮切りに,生きとし生けるもののあらかたをその一部としながら遂には地球を覆い尽す,というパニック小説…なんだろうなぁ。早い話 (ちっとも早くないか) ,諸星大二郎のデビュー作「生物都市」の毛生え薬版である。<BR>
この新生物,ネオネモに生物が融合し,その意識が共有されるトコロの描写がすばらしい。あ,ワシも融合したい,とか思ってしまうもんね。至る所暗緑色の新生物に覆われた町の風景なんかは水木しげるの「原始さん」を彷佛とさせる。いや面白うございました。吾妻ひでおの挿し絵も吉。 |
関連本棚: |
mnpk
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『坊っちゃん』の時代―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (アクションコミックス)
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著者: |
関川 夏央 |
出版社: |
双葉社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
日本人論
マンガ
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コメント: |
関川夏央・谷口ジローのコンビが実に12年をかけて「近代日本の青春,明治」を描いた漫画シリーズ。 <BR>
第一部「坊ちゃんの時代」で漱石,第二部「秋の舞姫」で鴎外,第三部「かの蒼空に」で啄木,第四部「明治流星雨」で秋水,そして最後の第五部「不機嫌亭漱石」で再び漱石を中心に描かれているが,それら「主人公」はあくまで各々の時代,事件を語る狂言回しとしての役割を担っておるに過ぎず,あたかもバルザックの「人間喜劇」のように総体をもって日本にかつてあった「明治」という時代を描いている。 <BR>
いやいや,これは傑作です。読むべし。
<li> <a href="/%E5%A2%97%E4%BA%95/4575712299">文庫判</a>もありますね。(<a href="/%E5%A2%97%E4%BA%95">増井</a>)
<li>ほう,文庫が出てるの? 揃えることをお勧めしますね。ヘタな明治本よりよっぽどタメになると思います。 |
関連本棚: |
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ふらりすと
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yomi_at_osaka
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魚籃観音記 (新潮文庫)
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著者: |
筒井 康隆 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
日本
小説
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コメント: |
1997年から2000年にかけて,主に新潮社の雑誌に掲載された作品を集めた短編集 (なぜか一つだけ文芸春秋の「オール読物」掲載作品がはいっている,なんで?) 。<BR>
なんと言っても圧巻は表題作,孫悟空と観音菩薩が姦るという「ポルノ西遊記」である。帯にも「発禁覚悟」とあるがこれはスゴイ。まさに天才筒井康隆の面目躍如,作品中,男性器を表す単語だけで,陰茎,ちんぽこ,ペニス,逸物,陽根,男根,錫杖,珍棒,陽物,魔羅,へのこ,棍棒,男性自身,肉茎,肉棒,一物,大砲,珍宝,巨根,松茸,<b style="color:black;background-color:#ffff66">デチ棒</b>,コック,こね棒……はぁはぁ,こんだけあり,それらがまた適材適所 (笑) ,こーふんするぞ,これは。<BR>
だいたい筒井作品のセックス・シーンというと,大概のヒトが「エディプスの恋人」のあのシーンを想起するらしいのだが,あれはあんまりエッチぢゃない。個人的意見としていままでのベストは「残像に口紅を」の第二部,世界から「あ」と「ぱ」と「せ」と「ぬ」と「ふ」と「ゆ」と「ぷ」と「べ」と「ほ」と「め」と「ご」と「ぎ」と「ち」と「む」と「ぴ」と「ね」と「ひ」と「ぼ」と「け」と「へ」と「ぽ」と「ろ」と「び」と「ぐ」と「ぺ」と「え」と「ぜ」と「う゛」と「す」が消え失せたあとで行われるそれであったが,この「魚籃観音記」はあれにまさるとも劣らない。むしろあれの「饒舌バージョン」とでも言うべきか。<BR>
他の短編では「粗忽電器屋」とでも言うべき「作中の死」が面白い。鼠や犬猫 (が主人公の小説もこの本にはあるのだが) ではなくニンゲンの行いを小説という形で描く以上,意識してあるいは意識せずに身辺の誰彼をモデルとして書くことはどんな作家でもするだろう。が,その行為自体に着目し,思索し,こうした短編にまで昇華するのはやっぱり筒井さんならではという気がする。かなり印象は違うがこれは「虚人たち」の系譜に連なる作品だと思う。<BR>
なお,当然というかオレはこの本を単行本で持っているのだが,そのISBNをAmazonで検索したところ不本意ながら文庫本しか出なかった。文庫を出したらもう単行本は印刷もしないのだろうか。なんだかなぁ。 |
関連本棚: |
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