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セレンディピティ物語―幸せを招ぶ三人の王子

エリザベス・ジャミスン ホッジス
藤原書店
ISBN: 4894345129  紀伊國屋, Amazon, WebCat
カテゴリ 児童文学 図書館
評  価 3.6
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もつくん2_deleted000_deleted000 :  舌鼓に「したづつみ」のルビ(P.10)、「耳ざわりのよい」音楽(P.123)
 科学啓蒙書の類を読んでいると、「セレンディピティ」という単語に時折出くわす。真理を探究する科学者が思いも寄らない偶然から核心的な考えに至るという現象をこのように表現するらしい。「天恵」は「ひらめき」のようなもので、これとはニュアンスが異なる。例えば、アルキメデスがストーリーキング(←死語だ)を演じたのが「天恵」の方で、天文学者が、どうしも消しきれないノイズがあると電波技術者から相談を受けたことで、そのノイズこそビッグバンの背景輻射であり、宇宙がビッグバンから誕生したことの証拠の一つが見つかったというのが「セレンディピティ」の方である。
 この本は、その語源となったセレンディップという王国の三人の王子にまつわる話で、王国を救う鍵となるある詩が書かれた巻物を求めて諸国遍歴の旅に出た三人がそれを手に入れることはついに叶わないまま帰国したとき、思いもかけぬ偶然から、王国が救われることになるというのがその骨子。
 もっとも、その思わぬ偶然というものを引き起こしたのは、三人の「聡明」な王子(←本当に賢いのだ)のいろいろな行いの積み重ねであるから、凡人が単に「セレンディピティ」を期待したところで、唱歌(?)「待ちぼうけ」の再現にしかならない。
 しかし、凡人である私でさえ、ある事柄について知りたくて、いろいろな検索語を試しても情報を得られず、諦めかけていたところ、ある日、何の目的もなくWEBサーフィンをしていたら、あっさり見つかったなどという経験はある。そのような状況がまさしく「セレンディピティ」なのだ。
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最終更新 : 2007-03-07 18:41:14 +0900
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