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マーラー―音楽観相学 (叢書・ウニベルシタス)
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著者: |
テオドール・W. アドルノ |
出版社: |
法政大学出版局 |
評価: |
10 |
カテゴリ: |
音楽
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コメント: |
ブロッホが我々の認識を超えた,音楽を哲学的に纏めた.アドルノは更に分りやすくマーラーの音楽の哲学について探っている.譜面の何小節の指示も分りやすいので楽譜に沿って彼の主張を読み取ることが出来る.例えば交響曲第4番の4本のフルートのユニゾンや鈴の音,一音低く調弦されたヴァイオリン,賑やかな(子供の鼓笛隊のような音楽)などと写実的にマーラーの大曲を分析している.実際,交響曲第5番を弾いてみるとブルックナーのそれより心奥に迫ってくる寂寥溢るるメロディであるということができる. |
関連本棚: |
大学教授
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私の「イリノイ日記」―チェロとともに
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著者: |
堤 剛 |
出版社: |
音楽之友社 |
評価: |
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カテゴリ: |
音楽
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コメント: |
カナダからアメリカへイリノイからインディアナへチェロを抱えた旅はつづくチェリスト・堤 剛の心あたたまる好エッセイ。 |
関連本棚: |
大学教授
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ベートーヴェン―音楽の哲学
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著者: |
テオドール・W. アドルノ |
出版社: |
作品社 |
評価: |
10 |
カテゴリ: |
音楽
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コメント: |
アドルノがライフワークとしたベートーヴェンの音楽とその構成のスケッチを「美の理論」でも訳者であった大久保氏がまとめた本。注釈が多くて話題があっちこちに飛ぶので取っ付き難いかもしれないが、説得的な文章であったので面白かった。これは、あくまでもベートーヴェンの演奏を対象としたものではなく、ベートーヴェンの楽譜を対象とした研究であることも興味深い。特に作者は「壮厳ミサ曲」は作曲者の最高傑作とし、ベートーヴェンの音楽の哲学と匹敵するものはヘーゲル位なものと言い放っている。訳者はクラシック音楽については余り詳しくないせいか曲の作品番号だけで載せられてもパッとしない。譜例を更に多く載せてくれれば読者の曲のイメージが沸くと思う。「ヴァイオリン協奏曲」や「田園」は静止を運動として表現する叙事的な曲、一方「交響曲第7番」は厳に交響曲的と謳っていた。
2006年3月18日〜4月1日読了。 |
関連本棚: |
大学教授
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