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声に恋して―洋画とアニメと私自身と
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著者: |
小原 乃梨子 |
出版社: |
双葉社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
のびたくんの声といえば、誰しも記憶にあるのではないだろうか。吹き替え草創期から活躍している女優兼声優さんの自伝なだけに、日本の洋画史とアニメ史のおさらいができるお得な一冊。文章がいまいちなのはご愛嬌。仕事と家庭の両立に苦心するくだりなど、小原乃梨子さんにも働く女性としての葛藤があったんだなあと気づかされる。最近のアニメの声優さんに違和感があるのはなぜかと思っていたら、私が子どもの頃の声優さんは「体を使って演技する」ことが基本の俳優さんが多かったんですね。うーむ。声優業も奥が深いなあ。 |
関連本棚: |
平蔵
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海上タクシー「ガル3号」備忘録
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著者: |
多島 斗志之 |
出版社: |
双葉社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
瀬戸内海の海上タクシー運転手が主人公のミステリ。派手さはないが手堅く読ませる、職人芸的短編集。 |
関連本棚: |
平蔵
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終りに見た街 (中公文庫 (や11-2))
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著者: |
山田 太一 |
出版社: |
中央公論新社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
結末の部分には納得できないが、いろいろと身につまされる寓話である。それにしてもこの会話の言葉のセンスの良さはどうでしょう。脚本家畑の方は一味違いますね。 |
関連本棚: |
平蔵
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恋せども、愛せども
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著者: |
唯川 恵 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
血のつながらない祖母、母、娘の、家族の絆の確かさが心地いい。等身大の女性のたくましさ・弱さを書かせたら、唯川さんは本当にうまい。 |
関連本棚: |
平蔵
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なんにもうまくいかないわ
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著者: |
平 安寿子 |
出版社: |
徳間書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
他人の都合なんてお構いナシ、自分の私生活をなんでもかんでもしゃべる、究極の自己中心女、志津子を中心としたコメディー小説。でもこの志津子さん、人を陥れようとか、そういうこせこせしたところがないので、どの話も読み終わると結構爽やかになれたりする。仕事に疲れたときのビタミン剤として一服どうぞ。 |
関連本棚: |
うずまking
平蔵
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M1(エム・ワン)
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著者: |
池井戸 潤 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
文庫本では「架空通貨」と改題されたミステリ。元銀行員の作家だけあって、決算書などが説得力のある小道具となっている。経済小説はあまり読んだことのないジャンルだったのだが、ミステリと融合するとこんなに面白くなるんだなあ、と遅まきながら実感できたのが大収穫。元商社マン、現在高校教師の辛島と、その教え子の黒澤麻紀が物語の主軸を担うが、麻紀の人物造詣の詰めが甘いのは疵。よって星は四つだが、物語の大筋は文句なく面白い。 |
関連本棚: |
平蔵
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終業式 (新潮文庫)
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著者: |
姫野 カオルコ |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
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コメント: |
センセーショナルな題材が多い作家さんだったので敬遠していたのだが、手紙で構成された小説を読みたくておそるおそるチャレンジ。なかなか面白い恋愛小説であった。20代半ば以上の方なら、こういうことってあるよね、とうなずくのでは。
スタートは高校2年生なのだが、10代の女の子の自意識過剰さにものすごいリアリティーを感じてしまった。 |
関連本棚: |
平蔵
mirei
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クリスマス黙示録 (新潮文庫)
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著者: |
多島 斗志之 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
ジャパンバッシングが吹き荒れる中、一人の日本人女性が自動車事故を起こした。被害者の少年の母親は警察官の身分を捨てて、復讐の殺人鬼となる。日本人少女を守る日系人FBI捜査官と、復讐者の息詰まる攻防劇。構成がシンプルな分だけ、緊迫感のある物語が際立つ。 |
関連本棚: |
平蔵
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そして今はだれも
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著者: |
青井 夏海 |
出版社: |
双葉社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
新米教師と知恵者高校生が、学園に潜む卑劣犯をつきとめるまでを描いたミステリ。 |
関連本棚: |
暇人
にしむら
平蔵
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いっしょに暮らす。 (ちくま新書)
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著者: |
長山 靖生 |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
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コメント: |
現在の若者が他人と暮らすことが出来なくなった原因について、近代の家族制度を概観しつつ考察した本。どちらかというとエッセイなので、気楽に読める。かつて、曽野綾子氏が「登校拒否が起こるのは子どもにとって家が居心地が良いからだ。」というようなことを書いていたことを思い出した。他人と暮らすことに対するメリットの低下が結婚率の低下につながっている、という指摘は、本質を突いていると思う。<br>
思わぬ収穫は、夏目漱石の「こころ」の文学研究が紹介されていたこと。あの物語がこういう風に読めるのかと、研究者の視点にただ脱帽。 |
関連本棚: |
spi
平蔵
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カーマロカ―将門異聞
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著者: |
三雲 岳斗 |
出版社: |
双葉社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
時代小説
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コメント: |
作者の三雲氏はライトノベル出身らしいのだが、どうしてどうして、なかなか読みごたえのある伝奇小説である。今回の主軸は平将門だったが、もう少しマイナーな素材(時代)を選んでも、十分読者を惹きつけられる作家だと思う。鎌倉時代の比叡山とかどうでしょうかねえ。今後に期待大。 |
関連本棚: |
平蔵
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