|
|
明治おんな橋
|
著者: |
平山 寿三郎 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★★ |
カテゴリ: |
時代小説
|
コメント: |
江戸から明治へ、三人の女がそれぞれに新しい時代に生きようとする姿が清々しい長編時代小説。
女の三様の生き様が、温かい筆致で描きとられているのが印象的。物語を通して、作者の人間を見る眼の温かさが感じ取れる。 |
関連本棚: |
平蔵
|
|
|
|
|
オレたちバブル入行組
|
著者: |
池井戸 潤 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
|
コメント: |
おそらく著者本人の体験談もふんだんに盛り込まれているであろう、銀行員サラリーマン小説。バブル華やかなりし頃の就職戦線から、一転、悲哀に満ちた現在へと切り替わる導入部が見事である(就職戦線時と現在で入行した銀行名が変わっていることに苦笑)。すかっとするサラリーマン小説なのだが、後半の展開は少しやりすぎのような気が…。 |
関連本棚: |
平蔵
あれあれ
reiko510の2013
|
|
|
|
|
|
|
|
|
汚名
|
著者: |
多島 斗志之 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
亡くなった叔母の過去を追う過程で明かされる、意外な家族の肖像。派手さはないが、何故かしみじみとした味わいがあるミステリ小説である。 |
関連本棚: |
hativs
平蔵
|
|
|
|
|
|
|
|
|
十二人の手紙 (中公文庫)
|
著者: |
井上 ひさし |
出版社: |
中央公論新社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
|
コメント: |
手紙や公式文書のみで物語を構成した連作集。終章のオチも筆談という名の文書で締めくくられていて、見事というほかない。一番びっくりしたのは「玉の輿」。濫読の鬼・井上ひさし氏の真骨頂ここにあり! |
関連本棚: |
平蔵
よーこ
|
|
|
|
|
|
|
|
|
物語イタリアの歴史―解体から統一まで (中公新書)
|
著者: |
藤沢 道郎 |
出版社: |
中央公論社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
イタリアでは、「歴史=物語」である。あとがきの言葉が胸に響く書物である。皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデなど、なかなかスポットがあたらない人物を主人公にした歴史の切り口が新鮮。カノッサの屈辱と女伯マティルデが結びついたときは思わず膝をたたいてしまった。ただ、後半で少し失速したように感じたこと、また、文章にやたら体言止めが多用されていて少し単調に思われたことなどで、星は四つ。 |
関連本棚: |
としあき
平蔵
がこび5/人文科学
|
|
|
|
|
暗黒祭 (角川ホラー文庫)
|
著者: |
今邑 彩 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
日の本村シリーズ最終章。前作ではりめぐらされていた様々な伏線がどのように収束するか、期待値が非常に高かったためか、結末にやや物足りなさが残った。とはいえ、作品としては十分に及第点の出来。 |
関連本棚: |
daichi
平蔵
|
|
|
|
|
|
|
|
|
アパルトヘイトの白人たち
|
著者: |
松本 仁一 |
出版社: |
すずさわ書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4022579293">カラシニコフ</a>の著者の本をもっと読みたくて手に取った。<br>
アパルトヘイトの特殊性をわかりやすく抽出したノンフィクション。<br>
黒人側からアパルトヘイトを描いたルポは数あれど、白人サイドに焦点をあてたものは貴重である。南アの白人には2種類あるという視点に新鮮さを感じた。<br> |
関連本棚: |
平蔵
|
|
|
|
|
不思議島 (TOKUMA冒険&推理特別書下し)
|
著者: |
多島 斗志之 |
出版社: |
徳間書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
多島斗志之氏の”瀬戸内ミステリ”ものの起点となる長編ミステリ(多分)。多島氏の瀬戸内ミステリもののファンなので、もちろん、この長編ミステリも面白く読めた。しかし、あとに出版された「海上タクシー『ガル3号』備忘録」、「二島縁起」と比べると、完成度の差は歴然。年々うまくなっているんじゃないでしょうか。今後も目が離せない作家の一人。 |
関連本棚: |
平蔵
|
|
|
|
|
どこか古典派(クラシック)
|
著者: |
中村 紘子 |
出版社: |
中央公論新社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
エッセイ
|
コメント: |
中村紘子氏の文章を初めて読んだのは、文庫版<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4122008735">ぼくが猫語を話せるわけ (中公文庫 し 18-6)</a>の解説だった。ご主人の庄司薫氏の援護射撃の解説文だったが、あまりの文章の巧みさに、「世界的ピアニストで、美人で、しかも文章がうまいなんて、神様は不公平だ〜!」と叫んだものだった。<br>
その彼女のエッセイを集めたのが本書。新聞で読んで、もう一度読みたいと思っていた、ダックスフントのゴマちゃん、ウルちゃん(本名:ウルメイワシちゃん)のエピソードがいい。そういえば、この前見た「題名のない音楽会」でウルちゃんが出てきていたが、ご丁寧にもテロップで「ウルメイワシさん」と表示されていたのには笑った。 |
関連本棚: |
m-use
平蔵
|
|
|
|
|
|
|
|
|
本の運命 (文春文庫)
|
著者: |
井上 ひさし |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
エッセイ
|
コメント: |
井上ひさしさんと本との関わり方は、徹底的で清濁併せ呑むという印象がある。それでもどこか粋なのだ。本を置きすぎて床が抜けたとか、凡人には実践できそうもないエピソードが素敵。 |
関連本棚: |
針鼠文庫
stonechild
平蔵
|
|
|
|
|
ウズベキスタンの桜
|
著者: |
中山 恭子 |
出版社: |
KTC中央出版 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
非常に素直な文章。もちろん大人が読んでも面白いのだが、中学生・高校生向けに、国際関係学の入門書として書かれたのではないかという気もする。というわけで、我こそはと思う意識の高い中学生、高校生は読むように。それにしても、日本人捕虜の真面目な仕事ぶりを、いまだに記憶している国もあるんですね。読んでいて身が引き締まる思いがしました。 |
関連本棚: |
増井
平蔵
|
|
|
|
|
|
|
|
|
甲子園の異邦人―「在日」朝鮮人高校野球選手の青春 (講談社文庫)
|
著者: |
金 賛汀 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
|
コメント: |
1981年夏の全国高校野球大会、報徳学園と京都商業の決勝戦には、
両チームあわせて7名の「在日」の選手がいた。
しかも、そのうちの2人は通名ではなく民族名を名乗っていた—。<br>
1981年の「画期的」事件を丹念に描いたノンフィクション。<br>
<a href="/%E5%B9%B3%E8%94%B5/4575710962">海峡を越えたホームラン―祖国という名の異文化 (双葉文庫―POCHE FUTABA)</a>から、韓国・野球つながりで読了。<br>
「在日」ならば本名を名乗るべしという筆者の論調には
少し偏りを感じるが、それにしても、
本名を名乗ることがためらわれる社会というのは、
課題の多い社会ではないかと思う。<br>
ただ、7人の選手のうち、1人だけ生粋の朝鮮・韓国人でない選手がいるのだが(父親が韓国人、母親が日本人)、彼の記述については、かなりトーンダウンしているのが気になった。
その他の6選手の記述にあふれる筆者の共感や、やや過度の感情移入を考えると、温度差がありすぎるように思う。ちなみに、一番「同胞的共感度」が高いのは、7人の中で唯一朝鮮語を理解するという金村である。 |
関連本棚: |
平蔵
|
|
|
|
|
わくらば日記
|
著者: |
朱川 湊人 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
★★★★ |
カテゴリ: |
現代小説
|
コメント: |
不思議な力を持ち、若くして亡くなった「姉さま」を、妹の「私」の視点から語った物語。超能力ものとしては意外に淡々と話が進んでいく。そこにもの足りなさを感じる読者もいるかもしれないが、ファンとしては、このゆるゆるした感じがまた良かったりするのだ。最後に一言。百合丸さん、素敵。 |
関連本棚: |
平蔵
|
|
|
|
|
|
|