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ぼくらはみんな生きている―18歳ですべての記憶を失くした青年の手記
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著者: |
坪倉 優介 |
出版社: |
幻冬舎 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
18歳の時に事故で記憶喪失になった坪倉さんの手記。驚いたのは記憶喪失とはこんなにも全ての記憶を失ってしまうのかと言うこと。人の名前や場所などを忘れてしまうばかりか、食べること、しゃべること、など基本的に生きていくのに必要なことまでも忘れてしまうのです。それはまるで 「これなに?」と質問攻めをし始める幼い子どもに似ていました。やがて 少しずつ社会復帰をされますが 周りの人々になじんで行くには 人には理解し得ないような苦労や努力があったのだと思います。人って言うのはそれぞれいろんな事情を抱えながら生きているものだと改めて感じました。
やがて彼は草木染家としてデビューします。その作品をテレビで見たことがあるのですが それは微妙な色あいで自然の恵みをしみじみと感じるものでした。特に梅の染め物は 梅が咲く直前の木でなければ淡いピンク色には染まらないのだそうです。そんな数々のエピソードには感動しました。とは言っても私が目にした作品はテレビの画面を通して...。できれば この目で直接その色を確かめたいです。人はどんな人生を積み重ねてきたかも大事ですが それ以上にこれからどのように生きていくか、どれだけ実のある生き方が出来るかと言うことがもっと大事なのでしょう。坪倉さんのこれからの作品がとても楽しみです。 |
関連本棚: |
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自分の心を満たす31の方法―「幸せのカラクリ」がきっとみつかる
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著者: |
中野 裕弓 |
出版社: |
大和出版 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
日頃私は何かにつけて「もっと、もっと...」と いろんな事を求めすぎだろうか、満たされないと思っていても実は気が付かない事で満たされていることがあるのかもしれない、またもっと満たされるためにはどうしたらいいのだろう?...そんな思いで手に取った一冊でした。文章からは著者の明るい性格やパワーが伝わってきました。やはり肝心なのは考え方。考え方を上手に操ることができればきっと誰だっていきいきと生きていくことができるんです。「人の思いは人の物。」「毎日実行する心を満たす10のメニュー」「思えば叶う。」「大丈夫、人は絶対死ねるんだから。」...私にとってこんな言葉が心に残りました。「死ねるんだから。」というのはちょと過激な感じですが 人は誰だって生まれた以上、毎日「死」という卒業に向かって歩いている。死があるから毎日を宝物のように生きていくことができる、どんな悩みがあったって、いつかは寿命をまっとうして卒業できる...と言うことなのです。死は恐ろしいと言う観念で生きていくのと このように捉えるのとではまた生き方が違っていくような気がします。あと、一貫して書かれているのは 「内側の声を聞きなさい。」と言うこと。これって実は難しい。これができれば私はものすごく満たされるのかも...。 |
関連本棚: |
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さよならエルマおばあさん
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著者: |
大塚 敦子 |
出版社: |
小学館 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
エルマおばあさんがもう長くは生きられないとわかってから、家族と一緒にその日を迎えるために準備をし、共に過ごされた日々を写真に納められたものです。おばあさんの意志を尊重し、より良く送ってあげたいという家族のあたたかい思いが写真からもいっぱい感じられます。できればこんなふうに最期を迎えられたら幸せだろうなぁ..そう思いました。 |
関連本棚: |
omi
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夫のかわりはおりまへん―前高槻市長の介護奮戦記
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著者: |
江村 利雄 |
出版社: |
徳間書店 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
任期一年を残しながら高槻市長を退任され 痴呆症とパーキンソン病を併発された奥さんを介護された江村さんの手記。
「市長の代わりはなんぼでもいるやろけど、夫の代わりはおりまへんやろ。」と、夫婦の絆、家族の絆を何より大切に考えられる江村さんの市長退任はとても潔いものでした。「決していい夫ではなかった」ので今まで黙って付いてきてくれた妻への罪滅ぼしをしたいというお気持ちからの自宅介護。でも ヘルパーさんや家族と協力しながら、息抜きも上手にされていました。
「心のケア」大切にしながら努力の甲斐あって 奥さんの調子は少しづつ良くなって行かれました。やはり 身内の力と言うのは 何より替えがたいものがあります。安心感、信頼感、尊敬、愛情...培ってこられた大切な関係が奥さんの回復の大きな基になったのだと思います。ただ残念なのは最近になって 施設に一時入所した際に奥さんが食事を喉に詰まらせて 現在寝たきりになっておられると言うことです。「また一からです..。」と江村さんは仰っていました...。どうか 再び回復へと向かわれることを祈ります。最後に「介護に」ついて考えを述べておられましたが 「『エレベーターを作れ』より、『エレベーターの要らない社会を作れ』」と言われていたことが心に残っています。 |
関連本棚: |
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たったひとつのたからもの
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著者: |
加藤 浩美 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
小田和正さんの歌声と共に明治生命のCMですっかりおなじみになったこの写真。なんて言ったらいいのかわからないのですが このCMを見るたびに画面に釘付けになりました。温かい想い、切ない想いが伝わってくるようで胸が熱くなりました。
今度はこの家族が本になってお目見えしました。最初は文字で多くを知ることは避けようかと思いましたが少し本の中を覗くと 秋雪君の可愛い表情と お母さんがどんなお気持ちでどんな風にがんばってこられたのかを知りたくなって買いました。
読みました。そしてたくさんの秋雪君の可愛さいっぱいの写真を見ました。お父さんお母さんが一時でも秋雪君が幸せであるように、楽しい時を過ごせるようにと言う想いで懸命に過ごしてこられたのがわかりました。
この表紙の写真を見るだけで想いが全て伝わってくるようです。秋雪君の小さな柔らかい体、あたたかな体。どこにも行くなよ、ずっとここにいておくれ...お父さんの声が聞こえてくるようです。 |
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五体不満足
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著者: |
乙武 洋匡 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
小学校から中学校時代にかけては読み手としてはちょっともの足らないくらいにごく自然で当たり前な少年だったようです。
負けん気が強く 何にでもチャレンジする彼。
もちろん 両手両足が彼にはありませんから みんなと同じように出来ないことがありますが暖かい先生や友達に囲まれて 出来ないと思われることでも 協力と努力と工夫でやってのけてしまいます。
そして彼は出来る限りの努力をしていろいろなことを成し遂げたあと周りの人への感謝を忘れません。
そんな風に彼は「ごくごく当たり前」に生きておられます。
予備校時代から大学時代にかけてますます彼はおもしろい経験を積み重ね どんな風に生きていきたいのかを見いだして行かれます。
そのあたりがもっとも読み応えのあるところでしょうか。
「ごくごく当たり前」に生きておられる彼ですが実際には両手足が無いことで 言うに言われぬご苦労もあったことと思います。
でも ココにはそんなことは書かれておらず 本当に明るい彼がいます。
あえて ご苦労されてきた部分、もっとどろどろとした人間くさい部分をも
表に出されても良かったのではないかな...と思います。
「それぞれ違った一人一人にはそれぞれにしか出来ないことがある。
自分らしさを大切にすることは 他人(ひと)らしさをも大切にすることに繋がる。そんな繋がりが心のバリアフリーとなって広がっていけば...」
彼が一番言いたかったことだと思います。
「五体不満足」と言う題名から受ける印象とは違って
そこには丁寧に生きている爽やかな乙武さんがおられました。
ユーモアもたっぷり持ち合わせている彼です。 |
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被写体
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著者: |
三浦 友和 |
出版社: |
マガジンハウス |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
生き方
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コメント: |
内容はあまりにも壮絶なマスコミ攻勢との闘いの日々と彼の想い。
それは一般人の私たちの想像の域をう〜んと超えていました。
被写体とマスコミと視聴者との間には理想的なギブアンドテイクの関係は成り立たないのでしょうか?
そして社会におけるあふれるほどの情報の中、私たちは必要なものを選ぶことの出来る賢さを身につけなければいけないと思いました。
そんな中に貫かれているのは「家族は守る」と言う彼の強い想いと 「心のもちよう」。
怒るときには本気で怒り、「しまった!」と思えば平身低頭、誠意を見せる姿勢はとてもヒューマンでますます好感を持ちました。 |
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