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20世紀のエンジン史―スリーブバルブと航空ディーゼルの興亡
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| 著者: |
鈴木 孝 |
| 出版社: |
三樹書房 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
工学
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| コメント: |
<p>著者は、もともと日野のエンジン技術をやっていた人なので、エンジンのプロです。他にも楽しそうなエンジンに関する本をいくつか著しています。この本は、最新技術についての話題でもないし、タイトルのようなエンジン史といった、ただ歴史とか事件を網羅した話でもありません。スリーブバルブエンジンとディーゼルエンジンについて、エッセーのように書いてあります。
<p>特にスリーブバルブエンジンは、自分全く聴いたことがなく、こんな(今となっては)へんてこなエンジンがあったんだー、と目から鱗がおちました。
<p>この本によれば、主流の4 ストロークエンジンはほとんどの場合、シリンダーのてっぺんにバルブと呼ばれる茸弁(茸のような形をしている)を使ってガソリンと空気の混ざった混合気を吸って(吸気)、排いて(排気)、をしています。ところが、スリーブバルブエンジンはこの茸弁がなく、穴のあいた筒状のスリーブをタイミング良く動かすことで、混合気の吸気/排気を行うのです。今となっては見かけないので、マイナーなエンジンかと思うとそうではありません。1909 にダイムラーが採用したスリーブバルブエンジン(<a href="http://www.nmsi.ac.uk/piclib/imagerecord.asp?id=10221394">写真</a>) のように、一時期ブームになったりしています。
さらにその後、英国のウェリントン重爆撃機やホーカータイフーン/テンペスト/シーフェリー戦闘機にも使われていたりするのです。しかし、その後にはオイル消費料や、耐久性などの問題から採用されずに今日に至っているのです。他にもいろいろ話題があって、スリーブバルブエンジンとディーゼルエンジンから見たエンジンの世界が、実は綿々と現在のエンジンに繋がっているという、あながちエンジン史のタイトルも間違えじゃない内容です。
<p>文章は推敲が足りないのか、編集が悪いのか、ちょっと読みにくいです。それでも、現場を見知っている人の言葉なので説得力もあるし、エンジン屋の興味の対象がどこにあるのか解って面白いです。 |
| 関連本棚: |
teltel
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ナムジ―大国主 (第2部) (徳間描き下しコミック叢書―古事記)
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| 著者: |
安彦 良和 |
| 出版社: |
徳間書店 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
コミック
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| コメント: |
Amazon に第一部のデータがないので、これ。<br>
古事記/神武の系列の日本の古代を扱ったまんが。情報の欠如を、うまく想像力で埋めてあり読み飽きない。極端に神話重視に偏るでもなく、うまく人間を中心に解釈するのが安彦流で、きちんと物語になっている。古代の人の感情や常識なんて現代の見方で簡単に推し量れるものではないが、そこを転換するのが上手である。 |
| 関連本棚: |
ひがき
teltel
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三葉虫の謎―「進化の目撃者」の驚くべき生態
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| 著者: |
リチャード フォーティ |
| 出版社: |
早川書房 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
生物
借りて読んだ
進化
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| コメント: |
三葉虫本。<br>
興味深い図版が多くて、面白い。わりと古典的? な学者さんらしく、グールドの喧嘩っ早いところや、割と先走った主張の<a href="/teltel/4152035560">ワンダフルライフ</a>を事あるごとにやんわりと批判しているのが面白い。グールドのワンダフルライフは、すでに後の研究によって覆された部分が多くあるのだが、革命を起こした本だから影響力は除きがたく、仕方の無いことだ。グールドが亡くなってしまった今、ああいった面白い本を書ける人がいないのは損失だ。<br>
肝心のこの本は、英国の博物館で働いちゃうイギリス人らしさ満載の第一章がつらい。この部分を読み終えるまで、かなり読むのを躊躇した。教養たっぷりなんだけど、冗長でつらかった。ここを越えると俄然面白くなるんだから、こういうのは最後に回して欲しい。<br>
翻訳版のタイトルも何なんですか? 原題の「TRILOBITE!」 でいいやん。「〜の謎」とかいうやる気の無いタイトルつけないで欲しい。
とりあえず、三葉虫学者になりたくなる本です。それは確かです。 |
| 関連本棚: |
雑食
Anemonefish
紙魚
moriyama
stonechild
よこ
teltel
bugbug
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ヴァレリア・ファイル2122年 (角川文庫―スニーカー文庫)
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| 著者: |
谷 甲州 |
| 出版社: |
角川書店 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
SF
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| コメント: |
後に角川スニーカー文庫で4 冊の続編がでる、サイボーグ? ヴァレリアとハッカー少年MK の近未来SF。1987 に出版されているのだが、すでにウィンドウを使ったGUI でネットワーク上のデータにアクセスしたり、ハッキングしたりと未来を先取りしている。もちろん、アイデア自体は既にあったのだが、まるで体験してきたかのような描写は素晴しい。さらには、記憶をデータとして保存したり、考える防御兵器がでてきたりと、士郎正宗ばりの世界にもびっくり。内容は今でも色褪せていない。まあ、2122 にウィンドウシステムが存続しているかは解らないが。
数年前に新書サイズ(中公ノベルズ 上下 isbn 4125005842)で出版されなおしたが、そのときには挿絵が士郎正宗であった。多少の書き直しがあったそうなので、思わず買ってしまったのは言うまでもない。違いを比較したりはしないけどね。 |
| 関連本棚: |
teltel
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中国武将列伝〈上〉
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| 著者: |
田中 芳樹 |
| 出版社: |
中央公論社 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
人物を楽しむ
歴史
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| コメント: |
これは、とにかく面白く読んだ。中国は懐の深い国で、桁外れの才能が出現する点はとくに日本人に及びもつかない。
<p>最も興味津々だったのは、唐の王玄策という人が遠くインドまで行って連戦連勝したという話と、前漢の陳湯という人がクラッススのローマ軍兵と戦ったという東西交流のあたりの話かな。とにかく、大陸というだけあって、西へ向かえばヨーロッパだし、北へ向かえばシベリア、南へ向かえばインドシナを越えてインド、ということで様々な世界に通じている。
上の二人は両方共に序章に載った人だけど、これ以外にもとにかく人材が豊富な中国。同じく序章によれば、この本はつまるところ、中国の歴史の中から武将について田中芳樹が100 人選んでなんか書こう、という主旨らしい。限られた紙面で100 人なので個々の物語は簡略化されてしまうのだが、様々な毛色の個性豊かな武将たちにはそんなこと関係なく、魅力をいかんなく発揮してもらえる。とにかく面白く読める。 |
| 関連本棚: |
teltel
Tarosa
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豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)
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| 著者: |
栗本 薫 |
| 出版社: |
早川書房 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
SF
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| コメント: |
<p>豹頭の戦士グインを巡る、ファンタジー。そのくせ主人公が延々登場せず、などという状態もしばしば。そして各キャラはどんどん作者に似て行くのか、セリフが長くなっていくのだが、グインのみはその影響から逃れている。さすが主人公だ。
<p>もう20 年以上前から読んでいるので、ほとんどの知人よりも長くつき合っていることになる。小説のなかのキャラクターの方をより知ってるなんて、不思議なものだ。ま、人間関係は時間の長さのみじゃないのだが。でも、新刊がでるたびに、友人に会うがごとく興奮して、にやけてしまうのはどういうことだろう。
<p>100 巻で完結の予定で今のところ96 巻まで発行されているのだが、作者が述べるところによれば100 巻では終わりそうにない。100 巻を超えてしまうとたがが外れて、いつ果てるともしれない物語になってしまいそうで恐ろしい。生きているうちに完結してくれることを望んでいる。 |
| 関連本棚: |
たま子
proro
桔梗庵
めいぼうじん
atsushieno
佐治道綱
teltel
Tarosa
lookwest
Dreamer
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シールド・リング―ヴァイキングの心の砦
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| 著者: |
ローズマリ サトクリフ |
| 出版社: |
原書房 |
| 評価: |
A |
| カテゴリ: |
歴史
借りて読んだ
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| コメント: |
時代は征服王ウィリアムがイングランドを平定しようとする時。ウィリアムがノルマン人を率いて来るまでは、イングランドはヴァイキング、サクソン族の地だった。ウィリアムは、その手腕でイングランドを征服していく。徐々に追い詰められて行ったヴァイキングは、湖水地方に最後の集落を残すのみとなる。
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| 関連本棚: |
teltel
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