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“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)
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著者: |
野村 美月 |
出版社: |
エンターブレイン |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
"文学少女"シリーズの第3巻。1巻と2巻の感想はこちら。
今回は、武者小路実篤の「友情」。設定紹介も顔見せも終わって、いよいよ本筋のドラマがドライブしてくる3巻目は文芸部で演劇をするという展開になります。
過去の文学作品をふまえて物語を綴るというやり方を考えたときに、文化祭でその話を登場人物たちが演じるというのは一番先に思いつくやり方で、つまらないとも言えますが安定してる王道だとも言えます。特に、メインのストーリーが面白くてそれをドライブするために用いるんであれば文句の言い様もないでしょう。
いやあ、新幹線の中で柄にもなくうるうるしてしまいました。2巻がちょっとアイデア負けと言ったところで消化不良だっただけに今回はもうばっちり。遠子先輩の最後の謎解きも今回はハマってます。ここまで引っ張ってきた大ネタを大事に大事に使っているところも好感。でも、この学校は血なまぐさすぎるぞ (笑)
そして、なにより「放置されたツンデレ」こと、ななせちゃんが可愛い!でも、今回も放置気味。相変わらず、出番は少ないんですが、今回はかなり「デレ」成分まるだしで千愛ちゃんにからかわれっぱなしです。あとがきで、作者自ら
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さて、今回はさすがに琴吹さんが気の毒で「可哀想〜」と同情してしまいました。毎度大した出番もなく、本筋にからむこともなくスルーされ続け、ある意味シリーズ中、一番不遇な子ではないでしょうか。次の巻では、もう少しどうにかしてあげたいです。
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どうにかしてあげてください!
どうせ、琴吹さんメインの話になったら幸せになれるはずないんですから、せめてもうちょっとチョイ役のうちに可愛いところを・・・ぜひ・・・。今回も、わりと頑張ってるかと思いきや、クライマックスの場面から外されてるし。
そして、最後の頁に・・・ほーう、そう来ますか。次の巻が気になってしょうがないやね。 |
関連本棚: |
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シマウマの縞 蝶の模様 エボデボ革命が解き明かす生物デザインの起源
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著者: |
ショーン・B・キャロル |
出版社: |
光文社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
遺伝子が生命の設計図であるということは、まあ、常識としてみんな知ってますね。では、実際に遺伝子には何が書いてあるのでしょう。それは、どんなアミノ酸を繋げてタンパク質を作るかというコードです。生命は、遺伝子を一文字ずつ読んで、その通りにアミノ酸を並べてタンパク質を作るという仕組みだけで、すべてを作り出しているわけです。その後のことは作られたタンパク質がすべてうまくやってくれます。タンパク質万歳。
さて、では私の体の細胞が、組織ごとに違う仕事をしているのはなぜでしょう。それは組織ごとに違うタンパク質を作ったからです。タンパク質ばんざ・・・あれ?なぜ、同じ遺伝子を持った細胞なのに違うタンパク質を作っちゃったんでしょう。
それは、各組織の細胞ごとに読みとる遺伝子の場所が違うからです。遺伝子にここから読め!と印が付いているのです。その印はなにかって?遺伝子にくっつくタンパク質です。これをツールキットタンパク質と呼んでます。この本の表題のシマウマの縞の白い部分と黒い部分では、遺伝子に違うツールキットタンパク質が付いているので白くなったり、黒くなったりするわけです。しかし、ではなぜ白い部分には白くなるツールキットタンパク質があるんでしょう。もちろん、白くなるツールキットタンパク質を作る部分の遺伝子が読まれたからです。そして、そこに印を付けているツールキットタンパク質が作られているからです。では、そのツールキットタンパク質は・・・
というような感じで、この本ではまず生物の発生と組織分化の仕組みについて説明があり、その知見を元に生物の進化、特に形態の変化というものがどのような遺伝子の変化で起こるかについて論じて行きます。ここからがこの本の最もエキサイティングなトコロ。こんなに多種多様な生物のカタチはどの程度の遺伝子の変異で起こりうるのか。なぜ90%以上も遺伝子が共通である私とネズミの間にこんなにも大きな差があるのか。上記の仕組みについて、ある程度の知識があった私も目からウロコが落ちました。昆虫に触角を作ることを命じるツールキット遺伝子も、人間に手を生やす遺伝子も実はほとんど同じなんです!
分子生物学に馴染みがない人はちょっと読み進めるのに手こずるかもしれませんが、大丈夫。用語だけ整理して飲み込めばちゃんと理解できます。高校の生物を理解してる人なら苦もなく読めるレベルですが、あなたの進化に対する認識ががらっと変わるかも知れません。複雑な形態を持つようになった生物が、進化と適応の過程で何は容易に変えられ、何を変えるのは難しいのか。生命としての根本的な機能を損なうことなく、変わった形を突然変異によって生み出すことができるのはなぜなのか。
生命の進化に関する基本的な知見を21世紀版にアップデートしたい方は、是非、お読み下さいませ。 |
関連本棚: |
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Tambourine
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アイの物語
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著者: |
山本 弘 |
出版社: |
角川書店 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>
出た当時は割と話題になった山本弘さんのSF短編集。「ザ・スニーカー」などに発表されたウェルメイドでライトな短編を集めて、それに書き下ろし2篇と全体を貫くストーリーを付け加えてまとめたものです。</p>
<p>人間に対して反旗を翻したマシンに敗北した人類は衰退し、かつての文明は見る影もなく崩れ去った未来。一人の少年が美しい戦闘用アンドロイドに捕らえられます。アンドロイドの名前はアイビス。アイビスは人とマシンがどのように争ったのかその歴史の真相を語るために、まず、人類がもっとも反映していた21世紀に書かれたフィクションを語り出します。</p><blockquote><p>「念のために確認しておくけど、21世紀初頭の日本の風俗には詳しいわね?」<br />「ああ、その頃の本はたくさん読んだから」<br />「『スタートレック』って知ってる?」</p></blockquote><p>ぐはっ(笑)。というわけで、第1話はスタートレックのひねったパロディです。でも、これがいい話なんだ・・・。そして、テクノロジの進歩とそれがもたらす幸せな世界を描いたSFをアイビスは読んで聞かせます。</p>
<p>そして、アイビスがついに語り出す真実の物語。それが「アイの物語」。この話はかなり本格SF。そして、歴史の真相とは・・・</p>
<p>最初の数話は普通の人が「SF」と聞いて思い浮かべる、わりとわかりやすいSF初心者向けの話。ライトノベル感覚で楽しく読めちゃいますし、そのままの流れで最後まで読めばしっかりSF。SF入門の本としても、非常に良くできてると思います。年々、平均年齢が高まっているという噂のSFファンは、この本をどんどんとプッシュして若い読者をSFの沼に引きずり込むべきだと思います(笑)</p>
<p>なんだか、久しぶりに幸せな未来を書いたSFを読んだ気がして、気分がいいなー</p> |
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