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反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書)
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著者: |
森本 あんり |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
人文学
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コメント: |
大統領選挙のお祭り騒ぎも、エバンジェリストと呼ばれるTV宗教も、ゴスペルで派手な教会のイメージもすべては、イギリスのピューリタンから派生した米国キリスト教の独自の進化系から始まっている。
それは、人間が善の行いをすれば、神がかならず報いるという契約に基づいている。
これが、リバイバリズム。
一方で、イギリスから来た元々の「ピューリタリズム」とは、一般の人々が聖書を読むことを要求する非常に経験なものである。そのため、牧師がキリスト教をラテン語や原著に戻り解説し、はたまた現実の問題をそれに関連付けて一般の人々にわかりやすく解く能力が求められたことから、
実は、ハーバードもイエールもいわゆるアイビーリーグの大学は牧師教育のための神学校として生まれたというのはあらためて驚きである。
リバイバリズムは米国の発展に伴い、もっとお手軽な原理とやり方を求める要求から生まれてきたとも見える。
しかし、そのやり方は扇動的、かつ皆を受け入れる「チャーチ」ではなく、会員限定の「セクト」であり、さまざまなセクトを生んだ。
セクトはカルトにつながる危険性がある。
リバイバリストの牧師を描いた「エルマーガントリー」の作家シンクレア・ルイスがヒットラーの隆盛期にベルリンを訪れていたのは偶然だろうか。
米国の成り立ち、現在に至る流れを宗教の面から解説した好著 |
関連本棚: |
いとけん
増井
sshinji
takoyakim
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ヒトラーランド――ナチの台頭を目撃した人々
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著者: |
アンドリュー・ナゴルスキ |
出版社: |
作品社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
あまり、語られることのなかったヒットラーの黎明期から成長の姿を丁寧に取材している。なによりも、選挙によって選ばれた独裁制であり、変えるチャンスはいくらでもあったのに変わらなかったことは、その後の歴史に繰り返し独裁制が現れることを思えば、納得できる。全く異常なことではなく、どこにでも起こりうる選択肢の一つでしかない。 |
関連本棚: |
sshinji
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6度目の大絶滅
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著者: |
エリザベス・コルバート |
出版社: |
NHK出版 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
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コメント: |
我々は「人新世」人が作る環境の只中におり、それが真っ直ぐ種の多様化を急速に失っている。すなわち、大絶滅に向かっている。1万年規模の変化は地球にとってはわずかな時間だが我々がそれに気がつくのは難しい。 |
関連本棚: |
go.tekuteku
sshinji
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ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!
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著者: |
ジェームズ・リカーズ |
出版社: |
朝日新聞出版 |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
今のインフレ、アベノミクスが構造改革を伴わなければ、単なるごまかしであることがよくわかる。中国の危うさも。それにしても、読みにくい。 |
関連本棚: |
sshinji
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ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー
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著者: |
リーアンダー・ケイニ― |
出版社: |
日経BP社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
アップルのプロダクトデザイナーであるジョナサンアイブの視点から、アップルの様々な製品が開発された様を見ることができる。彼を軸として、アップルがいかにデザイン志向のプロダクトを生み出せる会社に変わっていったかが、よくわかる。利用者が製品をどう使うか、製品が利用者にどのような喜びを提供できるかという「デザインストーリー」に始まり、徹底的に製品を磨いていき、それに合わせて製造プロセスをはじめ、流通やすべてを変えていける、これがアップルの強みである。デザインの変更が瞬時に製造プロセスに反映される未来の会社の形がある。
おそらくソニーやトヨタが作り上げてきたものを21世紀のグローバルな環境で行えているところが、アップルの強みである。
ジョニーの才能が英国のデザイン教育の中で育まれてきたことも注目に値する。
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関連本棚: |
岸リトル
増井
221b
sshinji
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一生モノの人脈力
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著者: |
キース フェラッジ, タール ラズ |
出版社: |
武田ランダムハウスジャパン |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
学生推薦図書
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コメント: |
人と出会うことの大切さ
営業の鏡
出会う前、準備は周到に
フォローアップこそ肝心
心の窓を全開にして付き合う
家族も仕事も同じ |
関連本棚: |
kotaro
sshinji
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オンラインゲームを支える技術 --壮大なプレイ空間の舞台裏 (WEB+DB PRESS plus)
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著者: |
中嶋 謙互 |
出版社: |
技術評論社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
学生推薦図書
情報科学
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コメント: |
大昔(1990年ごろ)ネットワークVRの研究をしていたので、読んでみると、その様変わりにびっくりである。当時は、サーバーから多数のクライアントに同期させるのとゲームバランスに苦心していたが、今でもそれは変わらない。しかし、この本を読んで気がつかされたことは多数ある。1)オンラインゲームを支える技術の多くが、今やツールキットやプラットフォームとして提供されており、もはや簡単に利用できること2)レイテンシーや帯域などとゲームのバランスが最も重要であり、常に品質と環境の選択を迫られていること3)そのために、開発プロセスはアジャイルでリーンなプロセスとなっていること。
理論的なバックグラウンドが多くはしょられているのは、残念だがその点を補えば十分な講義になる。 |
関連本棚: |
blackbird
ikasam_a
ogijun
sshinji
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複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦
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著者: |
ドナルド・ノーマン |
出版社: |
新曜社 |
評価: |
4 |
カテゴリ: |
デザイン
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コメント: |
HCI (Human Computer Interaction)の巨匠D Aノーマンのコラムを集めたインタラクションのデザインの本。テーマはシンプルさのみではなく、複雑さとの共生。もともと複雑なものはデザイナーと人間が協力して解決していく必要があるということ。
アフォーダンスからシグニファイアへ
experience
ディズニーランドの列は待っていても苦痛がないようにデザインされている。
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関連本棚: |
jkoba0512
岸リトル
suchi
増井
sshinji
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|新訳|科学的管理法
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著者: |
フレデリック W.テイラー |
出版社: |
ダイヤモンド社 |
評価: |
3 |
カテゴリ: |
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コメント: |
実はトヨタ生産方式の元になっている近代的生産方式の礎を築いたのはテーラーであった。
最適な生産方法をきめるために、労働者の作業を細かいコンポーネントに分け、その作業時間を計ることで、
最適な作業時間を決めることができる。それにしたがって、生産方法を決めていくのだ。IoTの時代に再び読み返してみる必要がある。
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関連本棚: |
ヴィヴァアチェ
sshinji
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ソーシャルマシン M2MからIoTへ つながりが生む新ビジネス (角川EPUB選書)
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著者: |
ピーター・センメルハック |
出版社: |
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
ソーシャルマシーンとは、IoT (Internet of Things)の時代にモノをどうやってつなぎ込むかのデザイン指針を示している.センサーや車や、掃除機などがネットにつながって我々とコミュニケートする際、人間はそれを「人格化」する。したがって、ネットの先につながったいろいろなマシーンのもたらす情報は、「人」として我々に語りかける必要がある.
しかも、そのためには、それらのものが、いろいろな人とつながるソーシャルな存在である必要がある.つまり、ものは我々のソーシャルネットワークに「人」として組み込まれる必要があるのだ.
これまでのホームオートメーション、ホームネットワークの失敗もそこにある。ものではなく「人」として語りかける.人として他の人とつながる、この2つの要素がなければ、人間の多様な要求に応えられないのである.
ソーシャルマシンの7つの要素
特権
アクセス
ステータス
アクティビティ
プレゼンス
発見可能性
ID
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関連本棚: |
sshinji
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世界でいちばん大切にしたい会社 コンシャス・カンパニー (Harvard Business School Press)
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著者: |
ジョン・マッキー, ラジェンドラ・シソーディア, John Mackey, Rajendra Sisodia |
出版社: |
翔泳社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
経営
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コメント: |
ステークホルダー間の調整を行い、win-winの関係構築を目指す。
企業は市民である。このような意識の高い(コンシャスな)ビジネスは可能であるという信念。これは、江戸商人の三方よし(売り方よし、買い方よし、世間よし)ではないか。
市民の成熟とビジネスのイノベーションにより、価値の高い製品を持続的に提供し続けることは可能であると説く。
オリジナルのタイトルのようにそのような資本主義(コンシャスキャピタリズム)は可能であると説く。 |
関連本棚: |
sshinji
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リーダーシップをデザインする: 未来に向けて舵をとる方法
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著者: |
ジョン マエダ, ベッキー バーモント |
出版社: |
東洋経済新報社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
正直な本である。MITの教授から急にロードアイランド美術学校の学長に指名され、苦労した日々から学んだ教訓の数々。
「説明用に作るシンプルな図の欠点は、それが意味をなす頃には、複雑になりすぎて使えないこと」(P25)
「二人の間の最短のコミュニケーション経路は、本音トーク」
「どんなチームであれ、チーム作りの第一歩は次の挑戦をクリアすることだ。人が(もっともなじみのある)自分の殻から大きな一歩を踏み出して、(自分を落胆させる恐れのある)より大きな何かに加わる気を持たせること」P59
「謙虚さは尊い」P91
など、極めて古風なメッセージが新しい文脈の中で語られる。 |
関連本棚: |
増井
sshinji
owada
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イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
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著者: |
クレイトン・M・クリステンセン, ジェームズ・アルワース, カレン・ディロン |
出版社: |
翔泳社 |
評価: |
5 |
カテゴリ: |
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コメント: |
基本的に企業の悩むことと個人が人生で悩むことは同じ。
企業のイノベーションがうまくいかないことを分析する理論が人生がうまくいかないことの分析にも役に立つはず。
希代の経営学者がイノベーション研究の結果を冷静に人生に適応するという挑戦的な内容であるが、自身も死生の境をさまよっているだけに迫力がある。また、なにより敬虔なクリスチャンであること、信仰が、バックボーンになっていることは確かである。
しかし、バックボーンはあくまでも経済学の理論であるところが、この本のすごいところ。
イノベーションのジレンマなどで取り上げられた企業研究が個々でも取り上げられ、人生への指針となっている。
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関連本棚: |
sshinji
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