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空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)
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著者: |
鈴木 大輔 |
出版社: |
富士見書房 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>
子供ってのは、実は自分が子供だってことはよくわかっているものです。だからこそ、イライラして、空回りしてしまい、周囲から「ガキだな」と思われてしまうわけで。</p>
<p>そういう14歳ぶりが良く書けていて、感心してしまいました。あまりに主人公が14歳なのが微笑ましくて、読みながら感情移入する先がないっちゃないんですが(笑)、まあ、それでも14歳っちゃ、こんなものよね。</p>
<p>お話は主人公である空が、家出先の廃屋で女性と出会う話です。ボーイ・ミーツ・ガールっぽい設定なのに主人公がものすごく14歳なので全く恋愛話にはならないワケですが。つか、この表紙のタマは、なんか違うだろ・・・</p>
<p>SFでも、ラブコメでも、ミステリーでもなく(なんじゃ、富士見ミステリー文庫って。ミステリーファンにぶん殴られるぞ)、至極まっとうなジュブナイル。青春まっただなか。コミカルな調子で始まって、なかなか胸苦しい展開に持って行き、読了感は爽やかの一言(ハッピーエンドとは言えないんですがね)。素晴らしい。あまり普段、本を読みません・・・というような若い人が読んだら墓場まで持って行きかねない直球の感動が味わえます。</p>
<p>これは、東浩紀的にいうところのライトノベルではないですね。コアなミステリー好きのための新本格が偏ってどんどん袋小路的な進化を遂げていったように、ライトノベルもターゲットとウリを絞った企画書が通り易い作品が増えているような気がする中、こういう作品がすみっこにぽっとあるだけで、ラノベブームも捨てたもんじゃあないなあと、そんな気持ちにさせられる1冊でした。オススメです。あ、キミは「どこがミステリーじゃ!」と破り捨てる方の人なので読まなくていいです(笑)>ドック(仮名)</p> |
関連本棚: |
Tambourine
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生きていることの科学 生命・意識のマテリアル (講談社現代新書)
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著者: |
郡司 ペギオ-幸夫 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
昔、大学院生だったころ、日本物理学会の講演要旨をパラパラとめくっていたら、非常に変わった名前の講演者を見つけまして、一時、研究室内でゆるーくブームになったことがありました。講演内容も、物理学会での講演にしては哲学的で、なんのこっちゃよくわからなかったような覚えがあります</p>
「郡司ペギオ 幸夫」
<p>そんな訳で、何となくこの名前は覚えていたわけです。講演を聞きに行った覚えはないんですけど。</p>
<p>それから数年、本屋の新刊コーナーでまたお名前を見かけました。「生きていることの科学」とは、これまたちょっと間違えばトンデモな雰囲気のタイトル。いったい、あのときのペギユキさん(勝手にそんなあだ名つけてた)は、どんな研究をされている方なんでしょう。興味津々です。</p>
・・・半分まで読んだところで、挫折しました・・・orz
<p>えーっと、要するに生命とか感情とか思考というものは、アルゴリズムで表現できるようなものではなくて、その依りしろ、例えば、感覚器自体が物体であるがために生まれる感覚であったり、プログラムが計算機で実行されるが故に発熱したり、壊れたりする制約であったり、そういう「マテリアル」なものの存在ときりはなせないんじゃないかというような話なんです。</p>
<p>なんですよ、たぶん(笑)</p>
<p>文章自体は非常に平易です。PとY(ペギオと幸夫?)という2人の人物の問答の形で記述されていて、哲学書のような難しい概念と定義を振りかざしたりとか、言葉の言い回しに拘ってマクロ感がなくなったりとか、そういうことはいっさいありません。ありませんが・・・理解できません。ひとつひとつの主張や例えは何となくわかるんですが、それが総体としてどうつながってどういう結論に導かれるのかはっきり理解できないの。頭の中を思いっきり攪拌されているような感覚です。</p>
<p>いやあ、すっげーよ。脳味噌に往復ビンタをくらいたいひと、どうぞ。少なくとも、私はこれは無価値な研究だとは思いません。</p> |
関連本棚: |
spi
Tambourine
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翻訳夜話 (文春新書)
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著者: |
村上 春樹, 柴田 元幸 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
バリバリの小説家でありながら、たくさんの翻訳を行っている村上春樹さんと、ハルキさんの訳語チェックを担当し、自身も多くの訳書がある大学の先生である柴田元幸さんの翻訳への愛を綴る対談。</p>
<p>3度のセッションの模様が収録されていて、最初は柴田先生の学生さんのワークショップにハルキさんが参加したもの。次は、翻訳学校の生徒さんを集めたフォーラム。最後は、実際にいくつか本を出している翻訳家たちを交えて、ハルキさんと柴田先生が"競訳"した翻訳を題材に討論してます。</p>
<p>競訳はレイモンド・カーヴァーの"Collectors"(これはハルキさんのホームグランド)と、ポール・オースターの"Auggie Wren's Christmas Story"(これは柴田先生の得意分野)です。原文も載ってるので、原文を読んでから訳をみる・・・のがいいんでしょうが、こんな短編でも私、読むの結構大変です(笑)</p>
<p>中で印象的だったのは、"he said"問題。</p><blockquote><p>"I have to go," he said. "They are waiting for me."</p></blockquote><p>の様な文章で、そのまま訳すとすごく翻訳調になっちゃうけど、どうかというような話。ハルキさんは「日本語にしたら読む人は違和感を感じると思ったら、翻訳者は自分の判断で変えていいんじゃないか」と言ってます。それはそれとして、こんなことも</p><blockquote><p>村上「僕、自分の小説でもそれをやっちゃうんですよ。 −−−「そうだね」と彼は言った。「そうかもしれない」</p></blockquote><p>ああ、ぽい。それっぽい。で、多分私も影響受けて、そんな文章、違和感なく書くわ(笑)</p> |
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評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)
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著者: |
皆川 ゆか |
出版社: |
講談社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
言わずとしれた「ガンダム」の魅力ある悪役、シャア・アズナブルを歴史上の人物に見立てた伝記です。皆川さんはガンダムの設定辞典をまとめたりと、宇宙世紀(という架空世界)の歴史を語らせたら、右に出る物はいないという人物。その皆川さんが、厳密なルール(例えば、TV版の出来事を正とし、映画とTV版が異なる場合は、映画を異説として取り扱う等)の元に、シャアの人生を宇宙世紀の歴史を紐解く、戦記物です</p>
<p>ま、元ネタを知らないと面白くもないという意味で明らかにマニア向けですが、ただのマニアが書いてもここまで面白い物にはならないと思います。皆川さんの物書きとしての能力と、「オタクの見立て」とでもいうべき能力が卓越していてこその出来。はっきり言ってシャレで買ったんですが、思いの外、面白かったです。</p>
<p>私と同年代の男であれば、「機動戦士ガンダム」のストーリーはだいたいわかってますよね。ところが、Z、ZZ、逆襲のシャアと出てくるMSはなんとなく知っていても、ストーリーはなんだかよくわからないんだよねという人も多いと思います。この本を読めば、入り組んだZの物語をシャアを軸に理解することで、宇宙世紀の0079〜0093までの歴史の流れが整理できて、またもう一度、Zガンダムを見てみようという気になるんじゃないでしょうか。あ、映画版みてもわかんないと思うので、見なおすならTV版をどうぞ(笑)</p>
<p>それにしても、Z以降のシャアって、一年戦争時代に比べるとパッとしません。本放送当時は、そんなシャアを見て「つまんねー」と思っていた10歳の子供だったんですけど、今、改めてシャアのことを考えると、自分の才能に限界を感じた男の生き様にちょっと哀しいものを見てしまいます。うーん、でも、そんなシャアも格好いい・・・つか、富野さんは、こんな話を子供に見せようとしていたのかと、いささか茫然としてしまうわけですが(笑)</p> |
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眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く
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著者: |
アンドリュー・パーカー |
出版社: |
草思社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
<p>バージェスの生物群のファン向け・・・って、私は明らかにそうなんだけど、世の中にそんな人がどのぐらいいるのかはわかんないなあ。ともかく、そういう人なら、この本のタイトルと、第1章までを読めば、この本の結論は理解出来ます。</p>
<p>生物の進化の歴史の上で、大きなトピックとして「カンブリア爆発<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%88%86%E7%99%BA"">(Wikipedia)</a>」ってのがあるんですね。それまでみんなミミズの仲間のような形だった生物(エディアカラ動物群もありますが)が、あるとき一斉に複雑な形態を獲得して、今、現存する生物とは似ても似つかないような変わった生物がたくさん出現するという大事件なんです。これは、進化の歴史の上では、例えば恐竜の絶滅なんかより比べモノにならないぐらい、大きな出来事です。ここで「へー、そんなことがあったんだー」という人は、この本より前に、まず、スティーブン・ジェイグルードの「ワンダフル・ライフ」を読んでちょーだい。バージェスの動物の名前に多少、馴染んでないと、ちょっと読みづらいかも知れません。</p>
<p>で、なんでカンブリア期の到来と共に、突然、爆発的な進化が起きて、かくも複雑な形態が一挙に出現したのかというと、この本では「眼」を持った捕食生物が出現したことがきっかけなんじゃないかという説を提示してるワケです。これを、「光スイッチ説」と呼んでます。ほら、ワクワクする話でしょう?えっ、しない。あれ〜?</p>
<p>ま、この本の結論を一言で言っちゃえば、それだけなんだけです。でも、途中も面白い。途中では</p>
<ul><li>化石からどんなことがわかるか</li>
<li>「見る」とはなにか</li>
<li>生命にとって色とは何か</li>
<li>視覚がいかに大きな淘汰圧を産むか</li></ul>
<p>なんてことが語られます。面白いですよ</p>
<a href="http://tambourine.cocolog-nifty.com/dengon/2006/04/post_4e10.html">ここにはいないボクへの伝言</a> |
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“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)
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著者: |
野村 美月 |
出版社: |
エンターブレイン |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
"文学少女"シリーズの第3巻。1巻と2巻の感想はこちら。
今回は、武者小路実篤の「友情」。設定紹介も顔見せも終わって、いよいよ本筋のドラマがドライブしてくる3巻目は文芸部で演劇をするという展開になります。
過去の文学作品をふまえて物語を綴るというやり方を考えたときに、文化祭でその話を登場人物たちが演じるというのは一番先に思いつくやり方で、つまらないとも言えますが安定してる王道だとも言えます。特に、メインのストーリーが面白くてそれをドライブするために用いるんであれば文句の言い様もないでしょう。
いやあ、新幹線の中で柄にもなくうるうるしてしまいました。2巻がちょっとアイデア負けと言ったところで消化不良だっただけに今回はもうばっちり。遠子先輩の最後の謎解きも今回はハマってます。ここまで引っ張ってきた大ネタを大事に大事に使っているところも好感。でも、この学校は血なまぐさすぎるぞ (笑)
そして、なにより「放置されたツンデレ」こと、ななせちゃんが可愛い!でも、今回も放置気味。相変わらず、出番は少ないんですが、今回はかなり「デレ」成分まるだしで千愛ちゃんにからかわれっぱなしです。あとがきで、作者自ら
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さて、今回はさすがに琴吹さんが気の毒で「可哀想〜」と同情してしまいました。毎度大した出番もなく、本筋にからむこともなくスルーされ続け、ある意味シリーズ中、一番不遇な子ではないでしょうか。次の巻では、もう少しどうにかしてあげたいです。
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どうにかしてあげてください!
どうせ、琴吹さんメインの話になったら幸せになれるはずないんですから、せめてもうちょっとチョイ役のうちに可愛いところを・・・ぜひ・・・。今回も、わりと頑張ってるかと思いきや、クライマックスの場面から外されてるし。
そして、最後の頁に・・・ほーう、そう来ますか。次の巻が気になってしょうがないやね。 |
関連本棚: |
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