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法隆寺―世界最古の木造建築 (日本人はどのように建造物をつくってきたか 1)
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著者: |
西岡 常一, 宮上 茂隆 |
出版社: |
草思社 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
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コメント: |
<p>法隆寺を、穂積 和夫氏のイラストレーションで、宮大工の西岡 常一氏と宮上茂隆氏が解説していく、という絵本? です。法隆寺金堂を中心に、どうやって建てられたかを、順を追って描いています。
<p>
歴史的背景の解説もありますが、本筋は建てることです。まず、お堂を建てようと言う計画を立て終わると、建築そのものは基礎を作るところからはじまります。木を切り出し、かんなで削り、組んでいく。精緻だけど温かみのあるイラストレーションが、想像力を膨らませます。また、技法にも立ち入った正確な解説はさすが本職、です。飛鳥時代当時の技法が描かれていて、かんなは今の形じゃなくてやりのような形状のやりがんなを使ったり、堅い基礎を突いて造る、とか、物理的な構造上の解説もあり、瓦の作り方があったりともりだくさんです。
<p>
昭和に法隆寺の修復を行った、現場の発見も盛りこまれています。世界最古の木造建築なので、積み重ねられた時間が生々しい時の感覚を与えます。天井の板の裏には当時の職人の楽描きがあったりするのです。そういえば、周代のうるし棺に、同じように職人の指紋が残っていたりするのを見ると、いっきに3000 年の時を越えて人間が生きていた、という感覚を受けたのを思い出します。 |
関連本棚: |
teltel
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原始人
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著者: |
筒井 康隆 |
出版社: |
文藝春秋 |
評価: |
いい |
カテゴリ: |
小説を楽しむ
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コメント: |
さいこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |
関連本棚: |
teltel
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量子力学 (1) (物理学大系―基礎物理篇)
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著者: |
朝永 振一郎 |
出版社: |
みすず書房 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
物理学
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コメント: |
記念すべき登録500 冊目は、朝永振一郎の量子力学で。手元にあるのは、昭和41年の第19刷で価格800 円です。活字も古く、当が當だったりして最初は戸惑いましたが、隅から隅まで完読した物理の本のひとつです(つまり非常に面白い)。<br>
量子力学は、大学の学部で学んで意味のある数少ない分野だと思います。現在の技術は量子力学なくしてはありえません。それをひとつひとつ丁寧に解き進めてくれるこの本は貴重な教科書の一冊です。ディラックの正面突破の量子力学の対極ですが、相補的なものだとおもったりもするのです。<br>
おまけで、本が面白い朝永先生の授業はきっと楽しかったに違いない、と思います。 |
関連本棚: |
つとめさき
p-his
ふるけん
thinkeroid
akhi
gch
teltel
want
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一般相対性理論
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著者: |
P.A.M.ディラック |
出版社: |
東京図書 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
物理学
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コメント: |
量子力学の産みの親の一人であるディラックによる、相対性理論の教科書。翻訳されたわずか110 ページ弱で、重力による諸現象まで解説してしまっている恐ろしい本。まず、特殊相対性理論が最初の3 ページで終わってしまう。すでにここでテンソルの数学が入ってきている…。テンソルについて順に説明を進めて、最後の章は重力波の話になる。江沢洋による翻訳で、最後に解説もつく。
まあ、要するにディラックという人が簡潔を究めるとこうなる、という見本みたいな本。量子論のほうは、割と丁寧に解説されているんだけどねぇ。 |
関連本棚: |
teltel
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NATURAL (1) 花とゆめCOMICS
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著者: |
成田 美名子 |
出版社: |
白泉社 |
評価: |
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カテゴリ: |
コミック
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コメント: |
全体的に他愛のない話なんだけど、テンポに緩急があり好き。
成田美名子は、描く人物がきれいすぎのきらいはあり、なんか作中で事件が起こったとしてもどきどきする、というよりはうーん、となってしまうことがある。けれど、そのへんを含めて物語、人物に透明感があってそこがいいところなのでやっぱり読んでしまう。エイリアンストリートとかCHIPHER の方が有名だろうけど、舞台が日本だったり、青森だったりして地に足のついているNATURAL が魅力的に見えたりする。
<p>
そういえば、外伝というかおまけでついている、「花よりも花の如く」が成田ペースのストーリーで非常によい。そういえば、どれを見てもも人物のもつテンポが、スローでいいんだな。 |
関連本棚: |
みかん
teltel
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リトル・トリー
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著者: |
フォレスト・カーター |
出版社: |
めるくまーる |
評価: |
A |
カテゴリ: |
ネイティブ アメリカン
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コメント: |
泣く。とにかく泣く。美しい話なんだけど、背景に悲惨さがあってさらに泣かせる。<a href="/teltel/4839700869">ジェロニモ</a> と共に読めば、なんというか陰と陽、硬と軟、補完しあう。アメリカからネイティブがいなくなったのはとても最近の事で、なにやらおお昔の歴史のうちだ、とかいう自分の認識が甘かった。彼らには、文化として連続性をもって綿々と受け継がれているものがある。最も先鋭化した物質文明社会の合衆国に、そういうのが根付いているのが不思議だ。あるいは、物質のみでは、精神全てを変貌させることはできないのかもしれない。<br>アメリカは今では自由を標榜してはばからないけど、40 年前までは差別が当り前だったし、ネイティブの土地を奪えたのも最近で、…若い。 |
関連本棚: |
★SAKI★
kana
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Tarosa
kiku_hashi
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20世紀のエンジン史―スリーブバルブと航空ディーゼルの興亡
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著者: |
鈴木 孝 |
出版社: |
三樹書房 |
評価: |
A |
カテゴリ: |
工学
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コメント: |
<p>著者は、もともと日野のエンジン技術をやっていた人なので、エンジンのプロです。他にも楽しそうなエンジンに関する本をいくつか著しています。この本は、最新技術についての話題でもないし、タイトルのようなエンジン史といった、ただ歴史とか事件を網羅した話でもありません。スリーブバルブエンジンとディーゼルエンジンについて、エッセーのように書いてあります。
<p>特にスリーブバルブエンジンは、自分全く聴いたことがなく、こんな(今となっては)へんてこなエンジンがあったんだー、と目から鱗がおちました。
<p>この本によれば、主流の4 ストロークエンジンはほとんどの場合、シリンダーのてっぺんにバルブと呼ばれる茸弁(茸のような形をしている)を使ってガソリンと空気の混ざった混合気を吸って(吸気)、排いて(排気)、をしています。ところが、スリーブバルブエンジンはこの茸弁がなく、穴のあいた筒状のスリーブをタイミング良く動かすことで、混合気の吸気/排気を行うのです。今となっては見かけないので、マイナーなエンジンかと思うとそうではありません。1909 にダイムラーが採用したスリーブバルブエンジン(<a href="http://www.nmsi.ac.uk/piclib/imagerecord.asp?id=10221394">写真</a>) のように、一時期ブームになったりしています。
さらにその後、英国のウェリントン重爆撃機やホーカータイフーン/テンペスト/シーフェリー戦闘機にも使われていたりするのです。しかし、その後にはオイル消費料や、耐久性などの問題から採用されずに今日に至っているのです。他にもいろいろ話題があって、スリーブバルブエンジンとディーゼルエンジンから見たエンジンの世界が、実は綿々と現在のエンジンに繋がっているという、あながちエンジン史のタイトルも間違えじゃない内容です。
<p>文章は推敲が足りないのか、編集が悪いのか、ちょっと読みにくいです。それでも、現場を見知っている人の言葉なので説得力もあるし、エンジン屋の興味の対象がどこにあるのか解って面白いです。 |
関連本棚: |
teltel
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