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巨魁―岸信介研究 (ちくま文庫)
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著者: |
岩川 隆 |
出版社: |
筑摩書房 |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070120#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070120#p1</a>
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2冊目に読んだ本。上の本があまりによくできているため、正直なところかなり見劣りしてしまう。この本は岸信介見直しの嚆矢となった由だけれども、なんだかゴシップ記事めいた記述が目立ち読んでいてあまり良い気持ちがしなかった。最後は陰謀論出てきちゃうし。著者がまさに安保闘争に居合わせた経験があるということで、当時の雰囲気を知るには良いかもしれない。
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あと猪瀬直樹による解説は良くまとまっているのでここだけ立ち読みしても良いかも。ただし、池田政権による所得倍増を最初に計画したのが岸政権だった、との記述はどうかなあ。危機の宰相(asin:4312010048)の記述によると違うんだけどな。この辺は更に調査の要ありか。 |
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svnseeds
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岸信介―権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 (368))
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著者: |
原 彬久 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070120#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070120#p1</a>
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激しくおすすめ。岸信介について最初に読んだ本。年末にシンガポールで読んだ。岸信介関連をざっと知るにはこの1冊だけで良いんじゃないか、というくらい良くまとまっております。目だったバイアスは感じられず、掘り下げも新書にしては十分。ホントおすすめです。
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岸は若いころ北一輝や大川周明に影響を受けており、その北や大川は当初マルクス主義にかぶれていたということをはじめて知る(p.30)。彼らはその後国家社会主義者となり右翼思想の源流となったのは周知のとおり。大変面白い。結局日本の思想家というのは、右も左も元を正せばマルクス主義に行き着くのだなあ。右も左も何か問題があるとすぐに構造のせいにして改革を言い出すのはこれがためなり哉。
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また岸が中心となった保守合同の話も大変興味深い。自民党は元来様々な保守政党の寄せ集めでありそれが派閥の源流である、というのは表面的な知識としてはあったのだけれど、吉田茂から始まる経済重視派(池田、宮澤など)が戦後のパージにより生じた空隙を埋めた官僚出身の政治家たちであり、一方の典型的な右派政治家はパージから復活した戦前からの政治家だった、というのは中々面白い。
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それと、岸がまさに政治生命を賭した安保改定も大変面白い。片務的な旧安保条約をある程度双務的なものへ改定し、憲法を改定した後により対等な条約へ再改定しようとしていたという。米国による占領の記憶がまだ生々しく、またソ連・共産中国という「わかりやすい脅威」があった時代であれば、憲法を改定し対等な安保条約を持つというゴールの設定は非常に論理的に思える。僕がわからんのは何故今またこれをやろうとしているのか、という点なのだけれど、この問題を考えるのに非常に有効な視点を与えられたように思う。
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それにしても当時の安保反対運動は酷いなあ。僕としては岸に同情してしまう(この本の記述には偏りはないので念のため)。当時の状況からして、日本には何らかの安全保障条約が必要であり、また日本は建前上武装を放棄しているのだから米国に頼らなければいけない、というのはgivenな条件だったはず。片務的な旧条約をある程度(というのも憲法に縛られているため)対等なものにした岸の仕事は、反対派が言うような酷いものではない。それに成立までの強引なやり方も社会党がまともに議論に乗ってこなかったことに少なくとも原因の一端はあるわけだから、岸を民主主義の敵呼ばわりするのはあんまりじゃないかなあと。こうした中身が伴わずムードだけで話を大きくする手法が、今では自民党側の十八番になっている点に皮肉を感じずにはいられない。 |
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米示
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「昭和の怪物」岸信介の真実 (WAC BUNKO)
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著者: |
塩田 潮 |
出版社: |
ワック |
評価: |
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コメント: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1</a>
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おすすめ。アレな感じの出版社(失礼)から出ているのでもっと右巻きな内容かと思ったら全然まとも。昨日ご紹介した原彬久教授の本と内容は重複しちゃってるんですがこちらもおすすめです。原教授の本が文献をベースにした記述とすると、こちらの本は逸話中心、って感じ。 |
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「昭和」をつくった男―石原莞爾、北一輝、そして岸信介
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著者: |
小林 英夫 |
出版社: |
ビジネス社 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1</a>
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こちらもちょっと期待外れ。やはり字が大きいのでこれも通勤時間とランチタイムで読んでしまった。実質2時間くらいなのでコストパフォーマンス悪すぎです。買う本は選ばないとなあ。
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この本でも岸が出てくるのは最後の1/4くらいからで、上の本と同じく経済成長への貢献が話の主軸。岸については新しい情報はそんなに無かったなあ。一方前半は石原莞爾、北一輝など興味深い人物についての記述になっているのだけれど、なんというかエピソードが並んでいるだけで掘りが浅い感じがしてしまう。この時代に詳しくない人がざっと概観するには良いのかもしれないけれど、たぶんもっと良い本があるんだろうなと思ってしまうというか。
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面白いのは、この著者の吉田茂に対する評価が大変低いこと。単に英語ができる米国に阿るだけの男、って感じのようだ。そんなことないと思うんだけどなあ。 |
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svnseeds
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満州と自民党 (新潮新書)
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著者: |
小林 英夫 |
出版社: |
新潮社 |
評価: |
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コメント: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070121#p1</a>
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割と期待して読んだんだけどちょっと期待はずれだったかなあ。2時間くらいで読めちゃった。タイトルは「満州」と「自民党」なんだけど、2/3は「満州」(というか満鉄)の話。岸信介は後半になってやっと登場する。「自民党」の話は岸が保守合同したってだけかな。
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この本の内容を一言でいうと、満鉄で培われた計画経済が戦後の日本で大きな成果を収めた、そこには岸など満州人脈の繋がりがあった、ってところか。岸信介関連の本は大抵内政と外交にfocusしているので、経済成長における岸の貢献がメインになっているのは珍しいように思う。
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でもなあ・・・。要するにこの史観って、通産省が日本の高度成長をリードしたっていう、例の野口某の1940年体制経済がどうしたって話や、(「巨魁—岸信介研究」のあとがきで猪瀬直樹も引用していたけど)チャーマーズ・ジョンソンなどの日本は特別だとする修正主義者たちの話になっちゃうんだよなあ。僕はこれに与する者ではないのでこの点要調査。 |
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暇人
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6期生
牧野
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昭和の巨魁 岸信介と日米関係通史
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著者: |
高橋 正則 |
出版社: |
三笠書房 |
評価: |
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コメント: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1</a>
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面白いんだけどあんまりおすすめできないかなあ。Amazonで一括買いした中に入ってたもの。かなーり右よりの立場から書かれてます。そっちの立場に随分親近感がわくようになった僕でもちょっとついていけない記述が散見されるのが面白い。
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「日米関係通史」というだけあって、なんと米国建国から話が始まっているのが面白いです。確かにこの視点は重要ですね。
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ただ、この本全般に言えるのだけれど、参照している文献の質と扱いがなんというかもうちょっと何とかした方がよさげな感じ。前半の米国の歴史は(常識の範囲内のものが多いとは言え)1冊の文献(「この一冊でアメリカの歴史がわかる!」)に多くを拠っているし、明治時代の日本に関しては司馬遼太郎も引用したりと、いや一次文献のみで書けとは言わんけど、もうちっとなんとかした方が信憑性は増すんじゃないのかなあ、と思う次第。
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それに引用元が抜け落ちているものが多いのも気になる。特に127ページの;
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マッカーサーは帰国後、アメリカ議会上院でこの朝鮮戦争の経験から、「かつて日本が朝鮮半島に進出したのは正しかった」という意味の証言をした。
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なんてのは、かなりcontroversialなものなんだから、引用元を明示しないのは無責任だなあと思わざるを得ませんよ。
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と欠点ばかり挙げたけれども、明確な岸擁護の観点から書かれた本が少ないだけに興味深く読めたのは事実。例の「所得倍増計画は池田よりも先に岸が立案していた」論(197ページ)とか、吉田と比べて岸には厳しい評価を下した(らしい)高坂正尭について愚痴っていたり(251ページ)、安保反対運動についてはかの石原慎太郎すら「条文も読まずに反対していた」(210-212ページ)のがわかったり、と大変面白い。色々と割り引いて読める人は読んで損はないかもしれません。 |
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吉田茂―尊皇の政治家 (岩波新書 新赤版 (971))
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著者: |
原 彬久 |
出版社: |
岩波書店 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1</a>
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激しくおすすめ。上の本で俄然吉田茂に興味を持ち新宿ジュンク堂で衝動買い。ちょっとしたinterludeとして読んでみました。
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やっぱり吉田茂も面白い人だなあ。なんとなくの先入観でリベラルな人かと思ってたら(だって「戦後リベラル」の人たちって吉田茂好きじゃないですか)さにあらず。がちがちの帝国主義者にして天皇制絶対擁護の人だったとは。面白い。
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若くして大金を相続し、戦前はあまり成功したとは言えない裏街道の外交官、しかしながら閨閥をツテに戦中にあっては近衛らと早期終戦を画策し東条らと対立、戦後は外相として新憲法制定に関わり、鳩山ら戦前の政治家たちが追放された空隙を縫って首相就任、その後講和により再独立を果たし、米国からの執拗な軍備拡張要求をのらりくらりとかわしながら池田隼人、佐藤栄作ら官僚出身の政治家を周辺に配して経済優先の日本再建への道ならしをした、と。いやあ波乱万丈です。面白い。
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興味深いのは、日本をして対米開戦已む無きとの決断に至らしめたとされるいわゆる「ハル・ノート」についての記述(89ページ)。吉田によれば「ハル・ノート」は決して「最後通牒」ではなかったという。対米開戦を正当化する口実としてあまりに人口に膾炙しているこの件に異論があるとはしらなんだ。要調査。
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個人的な興味としては第6章の「講和・安保両条約の締結に向けて」が面白かった。上の「日米同盟の絆」の前半と同じテーマを、同書が書かれたときには入手不可能だった日本側の外交資料に基づき検証しています。一度突き合わせて読む必要があるかなあ。
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あとは随所に出てくる昭和天皇のエピソードが涙なくしては読めませんでした。僕は別に天皇制絶対擁護という立場では今のところないのだけれど、なんというか、開戦責任については人に言われる以上に強く感じてらしたんだろうなあと思うとなんとも言いようのない気持ちになります。木戸が全部悪いんじゃないかというのが正直な気持ち。この辺も要調査なり。 |
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米示
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日米同盟の絆―安保条約と相互性の模索
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著者: |
坂元 一哉 |
出版社: |
有斐閣 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070130#p1</a>
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激しくおすすめ。Amazonで見つけて即購入。これは労作。安保条約をめぐる日米外交史に興味のある方は必読だと思われます。
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吉田茂によるサンフランシスコ講和と旧安保条約の成立、その後の日本の軍備の漸増、重光葵の安保改定の挫折、そして岸による安保改定が、主に米国の外交資料に基づき、丹念に検証されておりとても読み応えがあります。
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良く知られていることですが、マッカーサー発案の新憲法が、米ソの対立が深まっていく中、日本だけでなく米国をも縛っていった過程が大変興味深く描かれています。また、当初強硬にに日本の再軍備と責任分担を主張していたダレスが、日本の良き理解者(として描かれている)アリソンとマッカーサー両駐日大使とのやり取りの中で軟化していった様子も興味深い。外交というのは人ですねえ。
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もうひとつ良いなあと思ったのは著者の登場人物たちに対する暖かい視線。毀誉褒貶の激しい吉田、岸のみならず、本書のテーマで言えば良いところのあまりない重光に対しても、歴史の高みから断罪するようなことはせずに、一定の肯定的な評価を与えようとしている姿勢は、歴史を学ぶにあたって見習いたいなあと思った次第。
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この著者によるその後の日米の安全保障に関する外交についての文献を是非読んでみたいなあ。と思ってちょっとぐぐってみたら産経の正論で色々記事が。わはは、微妙だなあ(笑)。やっぱり安保について色々知るとそっちに側になるのかなあ。後で読んでみよう。 |
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再軍備とナショナリズム (講談社学術文庫)
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著者: |
大嶽 秀夫 |
出版社: |
講談社 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2</a>
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おすすめ。以前id:gachapinfanさん(お元気ですかー?)のところで紹介されていたのを見かけて購入。ずっと積読だったのだけれど良いタイミングで読むことができました。
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この本だけは何故か読んだ直後のメモがあったのでそのまま載せちゃいます。文体あってないけどまあいつものことなんでお許しを。
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日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付いていないことが残念であるという著者の主張には同意。
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それに、日本の保守勢力やかつての社会党右派が戦前のナイーブなナショナリズムのレトリックを多用したことが、本来の意味でのリベラリズム(いわゆる米国のリベラルでなく、伝統的自由主義)の混乱を招いた、という点にも同意する。
<BR><BR>
その他、吉田茂、芦田均、石橋湛山、鳩山一郎らの評価も非常に納得感のあるものだ。特に湛山について、よく見られるリベラリストとしての評価だけでなく、戦前からの伝統的な保守主義者として(否定的に)評価している点が非常に興味深い。
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しかしながら、それだけに、日本に民主主義と資本主義に基いた社民主義が根付かなかった原因として、上記のような日本の保守勢力や社会党右派の言動や態度だけを挙げているように読めるのは残念に思う。まるで社会党左派やそれを支持したいわゆるリベラル左派の「知識人」たちには大した落ち度がなかったように読めてしまうのだ。
<BR><BR>
実際には、社会党左派は本質にそのおいて、民主主義と資本主義を否定している点で共産党と違いはなかった。また、再武装や安保改定の議論においては一切の妥協を廃した原理主義的な主張のみを繰り返していた(だから実際にはまったく議論になっていなかった)。日本に社民主義を根付かせるのを阻害したという意味では、社会党左派は保守勢力や社会党右派よりも罪深いといえるのではないか。そうした指摘は、残念ながら本書からは読み取れない。
<BR><BR>
また、丸山真男に代表されるいわゆるリベラル左派の「知識人」は、保守勢力や社会党右派の回顧主義的ナショナリズム的言論に対抗するために、本当に共産主義や社会党左派と共闘する必要があったのだろうか。この本でも触れられているドイツのような社民主義を掲げることは不可能だったのだろうか。仮にそれが不可能であったとしても、一方で保守勢力や社会党右派を断罪しておきながら、他方で社会党左派やリベラル左派の「知識人」たちを免罪するような記述には到底同意できかねる。共に時代の制約の渦中にあったという点では同じなのだから。
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というようなことはもちろんとっくに後の研究者によって言われているだろうなと思いつつ。
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話は変わるが、本書で引用されている丸山真男の「高度な政治的判断」なる言い分には本当に吐き気がする。こんな日和見主義者が「知識人」だった時代に生まれなくてよかった。今の日本に必要なのは、回顧主義的な/ナイーブなナショナリズムを廃したまともな保守派と、共産主義ときっちり決別し民主主義と資本主義に基礎を置いた、まともな左派だ。僕は今のところ保守派にシンパシーを感じるようになっている。 |
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憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)
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著者: |
長谷部 恭男 |
出版社: |
筑摩書房 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1</a>
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激しくおすすめ。憲法について良くわかってなかったので(今でもわかってませんけど)どこかでおすすめされていたのを見て購入。大変面白い本。
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憲法改正、特に9条をどうするかについてがテーマなんですが、そのアプローチの方法が独特というか大変興味深い。テーマを直接扱わずに、民主主義、立憲主義、平和主義から説き起こすという見方によっては非常に迂遠な方法をとってます。
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そのせいか、僕には本書の結論であるところの、憲法は準則ではなく原理であるから改正は行わず解釈の変更を許していこう、という論理はいまいち腑に落ちなかった。たぶん僕がこの方面に土地勘がないことが理由と思われます。要再読。
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とはいえ、その道中の民主主義、立憲主義、平和主義に関する丁寧な議論は非常に刺激に満ちております。この方面に興味のある方は是非どうぞ。巻末の文献解題も必見です。 |
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米示
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ニヒリズムの宰相小泉純一郎論 (PHP新書)
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著者: |
御厨 貴 |
出版社: |
PHP研究所 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1</a>
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某新古書量販店にて105円で購入。著者はまともな保守の論客ということでちょっと期待して読んでみた。
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まあ内容はなんというか著者あとがきにもある通り、気軽な聞き書きって感じ(著者は「講壇」ならぬ「講談政治学」と表現しています)。小泉政権の特徴をざっと振り返るには良い本じゃないでしょうか。
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僕は恐ろしいことに例の郵政民営化選挙まで政治に興味をほとんど持たなかったので、同時代に進行していたことの背景と意味を簡単に整理できて助かりました。小泉の政治手法が「刹那的な政治」と表現されていることなど、僕にとってはあまり違和感ない内容になっております。 |
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ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき
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著者: |
佐藤 優, 魚住 昭 |
出版社: |
朝日新聞社 |
評価: |
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確か年末のシンガポール旅行のときに読んだ本。成田で買ったんじゃなかったかな。僕にはあんまり面白くなかった。同じく昨年末に読んだ「獄中記」(ASIN:4000228706)がやたら面白かったので期待していただけにとっても残念じゃなかった慚愧に堪えません。
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なんか最近の佐藤優は獄中で研究した本の消化試合というかそんな感じの本ばかり出しているんじゃないかという気がする。だから対談や雑誌連載のまとめの本ばかり出てくるんじゃないか。「獄中記」ではとても新鮮に思えた思想の現実へのアプリケーションが、この本ではやたら陳腐なものに見えてしまう。
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たぶん、ひとつには対談相手の魚住の知識量が、明らかに佐藤のそれに比べて見劣りしてしまっていて、更にその主張というか発言のベースにあるものがものすごく陳腐な左巻きなところから出ていることも原因のひとつなんだろう。
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となんか酷評してしまったけれどまあ読んでる間は面白い本です。でもそれだけというかあまり応用が効かないどん詰まり感があって読後の印象はあまり良くないというか。たぶん佐藤優の本は今後買わないことになりそうな予感。 |
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佐藤優
keimai
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勘定奉行 荻原重秀の生涯 ―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書)
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著者: |
村井 淳志 |
出版社: |
集英社 |
評価: |
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おすすめ。以前bewaadさんが紹介されていたのを見て購入。だから読んだのはたぶん4月頃でしょう。
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この方面にはまったく疎い僕ですが大変興味深く読めました。ものすごい量の文献を元にとてもわかりやすく書かれておりおすすめです。
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しかしあの時代に裏付けが信用のみの管理通貨の概念を理解していた荻原重秀という人はすごい。未だに金本位制への回帰とか言ってる人がいますからねえ。南無南無。 |
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無教養人
ヴィヴァアチェ
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サラ金崩壊―グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争
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著者: |
井手 壮平 |
出版社: |
早川書房 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1</a>
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おすすめ。これも以前以前bewaadさんが紹介されていたのを見て購入。やはり4月くらいに読んでたはず。
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金利規制に至るまでの官僚、政治家、業界などの駆け引きの裏側が非常に丁寧に描かれており大変興味深い。綿密な取材もさることながら、これだけややこしい話をわかりやすく書ける著者の筆力には感動しました。
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現在はまさにタイトル通り、そして金融庁官僚の目論見通り、外資は撤退・大手は業務縮小・中小は廃業と、サラ金業が崩壊しつつある過程なわけで、そういう意味でも大変面白く読めました。
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もっとも、サラ金業界が崩壊したことによって利用者側にどのような影響があるのか、については今はまだ判断できないと思っております。個人的には、銀行などのローンが代替として出てこない限り、選択肢の減少はそれだけで良くないと考えているわけですが、実際はどうなんでしょうねえ。 |
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日本国の原則―自由と民主主義を問い直す
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著者: |
原田 泰 |
出版社: |
日本経済新聞出版社 |
評価: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070529#p1</a>
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激しくおすすめ。これはつい最近読んだもの。個人的な興味の対象のど真ん中にはまりました。これは面白いです。
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時間軸では明治から現在まで、話題としては政治・思想・経済と、ものすごく幅広い題材を扱ってます。そのせいか少しまとまりに欠けるように僕には思われるところもあったのですが(例えば少子化の章とか。ちょっと唐突な印象があります)、しかしこれは本書の価値を損ねるものではまったくありません。
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まともな保守主義は古典的自由主義と背反するものではなく、むしろ両立することが望ましい、ということがわかって個人的にはとても勇気付けられました。時間を見つけて再読したいと思っております。って全然紹介になってませんかそうですか。 |
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岸信介証言録
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著者: |
原 彬久 |
出版社: |
毎日新聞社 |
評価: |
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カテゴリ: |
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コメント: |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2</a>
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激しくおすすめ。岸信介について知りたい向きには必読です。
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編者序説+全7章+編者補遺という構成。オーラルヒストリー(要は対談)という形式なので大変読みやすい。各章冒頭や章中必要に応じて編者による背景等の解説があるのもありがたいです。
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全7章のうち、1から6章では戦前の商工省時代から安保改定・退陣までが時系列に語られます。ここの内容はかなりの部分が他の岸信介の伝記、特に本書編者による「岸信介—権勢の政治家」(ASIN:4004303680)(参照)と重複しているのですが、当時の心境等を岸本人が語っているのでまた別の面白さがあります。
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しかしなんといっても本書で面白いのは第7章の「思想、政治、そして政治家」で、政治、大衆、自身の思想の来歴、当時の政治家などについて歯に衣着せず語っています。
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特に面白いと思ったのは、自由であることの重要性の強調とその裏返しとしての反共や安全保障の強調、小選挙区制と二大政党制へのこだわりとその裏返しとしての社会党(当時)への期待と幻滅、そして宮沢喜一への評価でした。
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岸信介が宮沢喜一を評して曰く、頭が良くて見識もあり総理に適任、ただし「他人がみんな馬鹿にみえる」ので人の世話をしないから総裁には不適任、との由(pp. 374-375)。岸が「頭が良い」と評しているのは他には彼の兄くらいで、派閥が違う宮沢をここまで褒めるということはよっぽど宮沢が群を抜いていたということでしょう。「世界デフレは三度来る」(ASIN:4062820064)での宮沢の低い評価とあわせて考えるとこの評は大変興味深いものがあります。いずれ彼のことも詳しく調べてみるつもり。
<BR><BR>
しかしそれにしても岸という人は面白い。これは他の岸信介関連の本を読んでいても思ったことですが、この人は、毀誉褒貶が激しいけれども、ちょっと現在では見当たらないような相当な人物であり、個人的にはすごく惹かれるものがあります。彼の思想や戦前の行いを表層的に扱って断罪している評価が多いようですが、そういうのを見聞きするとちょっとゲンナリするようになってきました。
<BR><BR>
最後に、政治は何を目指すべきか、に関する岸信介の見解を引用しておきます。後継者を自認するお孫さんはこれを大書して額に入れて飾って毎日100遍唱えるべきですなあ(笑)。
<BR><BR>
やはり政治家の世界では、真・善・美のうち美を追求する世界ではないと思う。政治家は善を追及し実現するけれども、美を追求し真理を探究するという世界ではない。
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p. 360 |
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60年安保―6人の証言
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著者: |
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出版社: |
同時代社 |
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<a href="http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2">http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070421#p2</a>
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それじゃ安保のときの学生運動って何だったんだろう?ということで読んでみた本。全学連やブントなど安保闘争当時の学生運動の主要人物だった6人へのインタビュー集。
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なんというか、こう言っちゃと悪いけど(誰に?w)、学生運動って本当に無責任なモノだったんだなあ、という印象を強くしました。結局のところ闘争のための闘争というか、なんというか全然筋が通ってない。社会党・総評・全学連・共産党の同床異夢の大騒ぎでしかない。
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本書での話もお約束の内部闘争が中心で、彼らが当時の政治状況をちゃんと認識して行動していたようにはどうしても読めないし。そりゃやってた本人たちは盛り上がっただろうけどさ。「我が青春に悔いなし」って言われてもこっちとしては「はぁ?あの大騒ぎはなんだったのさ」って感じですよもう。
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もういい加減学生運動を美化するのはやめた方が良いんじゃないかなあ。って当時渦中だった人たちがみんな彼岸へ旅立つまでは無理ですかそうですか。南無南無。 |
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